「さとうみシンポジウム」
※テーマ:真の豊かさとは?―古くて新しい理念としての里海を考える―
※開催趣旨;
里山という言葉を耳にするようになってどれくらいになるでしょうか。「里山」は様々な言葉で語られますが、一般的には「都市地域と奥山地域の間にあり、農林業などの人間の働きかけを通じて環境が形成されてきた地域」と言えるのではないでしょうか。わかりやすく言えば、田んぼや小川、雑木林といった身近な自然に恵まれ、日本の原風景を思わせるような地域を指します。そこでは人々の暮らしと自然が見事に調和し、生物の多様性が増し、双方に持続可能な状態が維持されてきました。
今なぜ「里山」が改めて見直されてきているのでしょう?それは近年の化石燃料に依存した、大量生産、大量消費、大量廃棄によって成り立ってきた暮らしのツケが自分たちに回ってきて、このままでは廻っていかないことを人々が自覚し始めたからではないでしょうか。
人が暮らす沿岸域にも里山のような関係を見いだせないでしょうか?「人が海からの豊かな恵みを一方的に享受するだけでなく、人もまた海を耕し育み守る」、人と海が健全な形で共存できる場所、すなわち「里海」と捉えることができるのではないでしょうか。
海の自然環境を守っていこうという力と、そこに住み利便性の高い暮らしを追求する力の間を揺れ動くのが里海だとすれば、そこは人が自然環境に影響を与え、また自然から影響を受ける中で、人も自然の一部であることを実感することが出来る場所だといえます。
昨今、海は漁業だけでなく海洋レジャーや癒しの空間として、そこに住むムラのひとだけでなくマチの人も含め、あらゆる人が多目的に利用する機会が増えてきました。
このシンポジウムでは様々な分野のパネリストの方々といっしょに、多様な主体が利用する沿岸域を持続可能な状態で利用し、保全していくためにはどうすればいいのか「里海」という考え方をもとに共に考えていきたいと思います。
※開催日時:平成20年2月10日(日)13:00~16:30
※開催場所:高知県立牧野植物園 牧野富太郎記念館 本館・映像ホール
〒781-8125 高知県高知市五台山4200-6
TEL:088-882-2601
FAX:088-882-8635
※参加費:無料。ただし、牧野植物園入園料として大人400円(団体割引適用・高校生以下無料)が必要となります。入園時窓口でシンポジウム参加とお申し出頂き、シンポジウム会場受付でお支払い下さい。
※予定人数:200名
※主催:NPO法人黒潮実感センター
※共催:高知大学
※スケジュール
第一部
基調講演:滋賀県立琵琶湖博物館館長 川那部浩哉
演題 生物多様性と「里うみ(海・湖)」
第二部
柏島スライドショー 円満堂修治
第三部
パネルディスカッション
テーマ:真の豊かさとは? ―古くて新しい理念としての里海を考える―
パネリスト
・川那部浩哉(滋賀県立琵琶湖博物館館長)
・金萬智男(NPO法人盤洲里海の会理事長)
・寺崎竜雄(財団法人日本交通公社企画課長)
・柳哲雄(九州大学応用力学研究所教授)
・梅原真(梅原デザイン事務所代表)
コーディネーター
・神田優(NPO法人黒潮実感センター長)
※事務局:NPO法人黒潮実感センター
〒788-0343 高知県幡多郡大月町柏島625
TEL:0880-62-8022
FAX:0880-62-8023