歴博・民博がこういう展示をやるそうです。
「東アジア中世海道-海商・港・沈没船-
世界の海は、それを共有する多くの国と地域を結びつけ、人、もの、文化、技術などの相互交流の場として、歴史の揺籃(ようらん)となり、原動力となってきました。この展示では、特に12世紀から16世紀の東アジアの海を舞台にして、中国、高麗・朝鮮、日本、琉球などの国や地域、人々が相互に影響を与えながら育んだ交流の歴史と文化の煌めきを、考古、文献、美術、民俗資料など、多様な展示品を通して描こうと企画しました。
東アジアでは、積極的な対外政策をとる宋が出現すると、新たな交流の時代が到来し、海で結ばれた多くの地域や国々の激動を促しました。そして、それは単に国家間の政治や経済の問題にとどまらず、一般の人々の日常生活にまで影響を及ぼすものであったことも前代とは異なる特徴です。例えば、中国産の陶磁器が日本列島のごく普通の食器となり、中国の銭が市場での日々の買い物に使われるといった具合です。
またそこでは中華の建前のもとで国と国とが交流しただけではなく、国境を意識しないで海を共通の世界として活躍した海民・海商たちのエネルギッシュな姿がありました。それは東アジアの大きな枠組みとして、16世紀のヨーロッパとの出会いにより地球規模の交易・交流へと変化するまで続きました。アジアが最も煌めいた時代の一つといえます。しかし、中世から近世への変化のなかで、それらは次第に国の枠組みへと閉じこめられていくことにもなりました。
今、世界がグローバリゼーションの波に覆われようとしているとき、国境を超えて国の集合とは異なる地縁的なもうひとつの世界を実現した中世の東アジア海域を見つめ直し、アジアを考える一視点としたいと考えています。 」
開催期間: 2005年3月23日(水)~5月22日(日) 国立歴史民俗博物館
2005年7月6日(水)~9月5日(月) 大阪歴史博物館
2005年9月17日(土)~11月27日(日) 山口県立萩美術館・浦上記念館
テーマは主に中国・朝鮮半島方面との交流を、琉球も含めて考えていこうということらしく、私たちが注目している東南アジア島嶼部からオセアニアという方面はスルーされていますが、それはそれとして面白そうですね。特に歴博にはレッパン師が沖縄まで導いたチェチェメニ号もありますし。
しかし、こういう企画展が西しか見ないという事そのものが、現在に至るまで、しかも歴博・民博においてさえも、太平洋諸島はあまり顧みられることのない裏口に過ぎないという推察を可能にしてくれます。
==
main page「ホクレア号を巡る沢山のお話を」