ホクレア寄港地教育・科学イベント支援委員会設立趣意書

 南山大学に移られた後藤明先生から、ホクレアに関わる日本国内の教育実践を支援するグループが設立されたという連絡をいただきました。以下、趣意書の文面です。現在、教材集の作成を検討中だそうです。

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背景

 ハワイ先住民渡来のルーツを探るべく始まったホクレア号の航海の目的は、30年の年月と7回の航海を経て、「子供たちによりよい世界を残すこと」へと進化しました。ホクレア号を運行するポリネシア航海協会(PVS)は、教育をその活動の最優先事項とし、これまで多くの教育プログラムを、主にハワイ諸島で実践しています。今回のミクロネシア・日本への歴史的航海では、 “One Ocean, One People—A Celebration of Pacific Voyaging, Cultures and Islands” 、すなわち海はひとつ、そしてすべての人間も同じひとつの存在としてとらえ、さまざまな文化の多様性を称えることをテーマとして設定しました。同時に、異なる文化を結ぶ共通の価値観を見出し、持続可能な社会へのヒントをともに考えようとしています。日本側でも、この歴史的なホクレア号の来航を一過性のイベントとするのではなく、そのスピリットが今後に生き続け種を残してゆくような形で迎えたいという機運が、広がっています。私たち海洋人類学や天文学の研究者、また海洋文化に広く関心を持ちあるいは教育に携わる者も、このホクレア号来航に高い教育的・科学的・文化的意義を見出し、それを最大限に活かす形でホクレア号を迎えることに、来航の本当の意義があると考えます。

目的

 ホクレア寄港地教育・科学イベント支援委員会の設立は、ホクレア号を日本へと運行するポリネシア航海協会の想いと、ホクレア号を迎える日本側の想いが重なる部分に根ざすものであり、訪れる側と迎える側の双方向からの働きかけの結果であります。ホクレア号の航海を持続可能な社会への学びの機会として活かし、双方の交流を深め、また、そのスピリットを日本の文化・風土に根ざした形で生かし続けていくために、ホクレア号を迎える寄港地における教育・科学イベントはとても大切な役割を担っていると考えます。私たちはそのために、寄港地における教育・科学イベントをさまざまなかたちでご支援できればと考え、国立天文台の後援とハワイ州観光局の協力のもとに、この委員会の設立に至りました。加えて、航海後の日本-ハワイ-ポリネシアの教育科学文化交流における一石ともなればと、願っております。

活動内容
• ホクレア号教育プログラムのパンフレット作成・配布およびウエブページでの紹介
• 寄航地での教育・科学イベントの企画・運営等への支援
• イミロア天文センター製作プラネタリウム番組への協力
• 国立天文台ハワイ観測所(すばる望遠鏡)からの遠隔講演、資料提供
• ハワイの学校と日本の学校との橋渡し
• そのほか各寄港地における教育・科学プログラムへのアドバイス、情報提供 等

委員会メンバー
後藤明(南山大学):委員長
池田恭子(East West Center, Asia Pacific Leadership Program):幹事
海部宣男(放送大学):顧問
海部陽介(国立科学博物館)
岩淵聡文(東京海洋大学)
佐々木剛(東京海洋大学)
田村祐司(東京海洋大学)
林左絵子(国立天文台ハワイ観測所)
吉田二美(国立天文台国際連携室)
渡部潤一(国立天文台天文情報センター)

後援:国立天文台     
協力:ハワイ州観光局

連絡先:お問い合わせや不明な点などございましたら、以下までご連絡いただけると幸いです。

後藤明  waleasi@ybb.ne.jp 
池田恭子 kyokohawaii@hotmail.com