6年間の先生仕事の間には色々な学生との出会いがありました。
大半は素晴らしい出会いだったのですが、ごくごく一部には後足で砂をかけて逃げていった学生もおります。ま、そんなのは私もどうなろうと知ったこっちゃないのですが、多少の悔いが残る出会いとして、心身のコンディションが万全でない状態で履修してしまった学生というケースがあります。
私の課す課題はハードでしたから、気力も体力も充実した状態の学生でもきついわけです。なので、中には、年度の途中で諦めて履修中止となってしまった学生もおりました(もちろん私も他のゼミ生たちも引き留めたのですが)。
そこに私は自分自身の方法論の限界を見ていたのですが、少し前にその学生から「その節はご迷惑をおかけしました」という連絡がありました。最近、少しずつ色々なことを勉強しているようで、たまに「こんなことを勉強したいんですが、良い本はありますか?」と相談を受けます。もちろん私はその都度、勉強のやり方や本の選び方を教えています。
こういう経験をするたびに、単位の取引は大学の教育の本質じゃないのだなあとしみじみするのでした。学びたい人と教える用意のある人が出会う為の場が大学。ですから、このどちらかに当てはまらない人は大学の教室に居るべきではないのです。