まだ1巻しか読んでおられない方が、いや、2巻を読み終わった時点でも、これを聞かされると驚くと思うのです。
これを書いている私自身、最初にこれに気がついた時は、うっひゃ~と思いました。
隊長の個人史。
2巻の表紙の隊長、精気みなぎる感じ・・・・どうしたんだ、ディエゴ・・・?
1582年頃:現在のスペイン王国カスティージャ・イ・レオン州、レオン市の北方にある寒村に生まれたという説が有力。
1595年頃:家を出たディエゴは年齢を偽って傭兵となり、オーストリア大公アルブレヒトに従ってネーデルラントに赴く。その後、1609年の休戦協定締結までフランドルを転戦。
1609年:バレンシアでイスラム教徒の反乱鎮圧に参加。その後、ナポリに渡ってナポリ駐留スペイン艦隊の兵士となる。
1613年:乗り込んでいたガレー船がコンスタンティノポリスで拿捕され、オスマン・トルコ軍の捕虜となる。が、同年のうちに解放され、1615年まで引き続きスペイン艦隊に参加する。しかし帰港したナポリで傷害事件を引き起こし、スペイン本国に逃亡。再びネーデルラントに向かってそこで傭兵となり、三十年戦争に皇帝軍として参加する。
1620年:白山の戦いで華々しい手柄を立てる。
1622年:フルーリュスの戦いで負傷しマドリードに行く。この時、イニゴ・バルボアを引き取って従者とする。
1623年:イングランド皇太子事件。アドラトリセス修道院事件(2巻)。
1624年:三度ネーデルラントに渡り、アンブロシオ・スピノラ麾下のスペイン軍に入隊。ブレダ攻城戦に参加する(3巻)。
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1644年:フランス北東部、アルデンヌの森の中の城市ロクロワ郊外の戦いに参加。行方不明となる。
おわかりでしょうか。隊長が傭兵生活を終えるのは、実に62歳の時なんですね。それを見届けたイニゴくんも、37歳の立派なオヤジ。アンヘリカちゃんは既に亡くなっております。
すごい大河ドラマなんですよ。しかも、3巻で取り上げるのは1624年のブレダ攻城戦ですからね。4巻ではなにやら海の方に向かうようですが、それにしたって全5巻では隊長の生涯のごく一部しか描けない。逆に言えば、いくらでも書き足す余地がある。
旦那、あんたこれからどうするつもりだ・・・・?