やっと辿り着いたその島は

 翻訳チーム内というか、考証担当の私が以前から頭を悩ましていた案件が一つ片付きました。

 アラトリステと後のグアダルメディーナ伯爵が出会った場所。

 詳しくは2巻ネタバレなので控えますが、原著ではLos Querquenesとか書かれているんですね。ケルケネス諸島。になるわな。

 ところがね。「ケルケネス」なんつうカタカナ地名はトルコ内陸部にしか見つからないんすよ。しかし物語の流れ的に、彼らがそんなとこうろついているわけがない。悩んだね。どこよ。またレベルテの旦那のオリジナル地名か?

 と思っていたのですが、本日やっと突き止めました。Querquenesに近い読みをする地中海の島は、ギリシア西岸のケルキラ島と、チュニジア東岸のケルケナ諸島。3巻の記述から考えてアラトリステはどちらの海域でも海賊行為に参加していたはずですが、諸島ってんだからこれはチュニジアの方でしょうな。

 普通はこのケルケナ諸島、Kerkennahと表記するみたいです。ローマ字では。リゾート地として多少は有名らしいので、グアダルメディーナ伯爵ファンは来年の夏にでも訪れてみてはいかがでしょう?