タヒチのおばちゃん!

 1週間以上も前の話ですが、「世界不思議発見・タヒチ」はなかなか見せてくれましたね。レポーターの女性は正直、大根でしたけれども(クイズ部分も全部早送りしましたけれども)、画像がレアだった。まずは篠遠先生が発見された、世界唯一の、オリジナルの古代ポリネシアの航海カヌーの画像。写真では見たことがありましたけれども、動画では世界初だとか。番組で移ったのはステアリング・パドルの一部だったようです。

 それから、タヒチで航海カヌーを建造しているお兄さん。船体はクック諸島の「テ・アウ・オ・トンガ」号みたいな、板材を接ぎ合わせた構造のようでしたけれども、「これでいつかハワイに行くんだ」というその言葉、大いに期待したいところです。覆い屋の下に置かれた船体は一つだけでしたが、ダブル・カヌーにするのか、アウトリガー・カヌーにするのかも気になりますね。アウトリガー・カヌーだとハワイまで30日間4000キロは厳しいような気もしますが。

 そして、一番面白かったのは、タヒチのおばちゃん。航海カヌー文化におけるおばちゃんの役割の重要さというものが非常に良くわかる。例えば木の皮から布を叩き出したり、パンの実や魚を発酵させて保存食を作ったり。航海カヌーで長旅をする為には、当然ながらそういった細々とした物資が大量に必要になるわけですよ。長旅の間、苛烈な日差しから肌を護る為のハーブオイルとかね。

 なんというんでしょうか。これまで航海カヌー文化を語って来たのは、その大半が男だったわけですよ。男の世界。こういう事を言うと素朴フェミニストが噛みついてくるかもしれませんが、やっぱ男は船とか航海術とかそういうとこに憧れちゃうんでしょうねえ。だから、今回のテレビ番組で紹介されたような所は、正直、あまり語られて来なかった部分だと思います。これから語られるようになるのか、それは知りません。ですが、航海カヌー文化の中で、これは憶えておくべき重要な側面であるように感じました。