目指せタヒチ! タンガロア号出航。

 もうそろそろハワイからはホクレアがタヒチに向けて出航するようですが、この春、タヒチを目指すのはホクレアだけではありません。

 ペルーのカジャオ港をちょうど今頃、出航する船があります。

 船の名はタンガロア号。ポリネシア神話に出てくる海の神様の名を戴いたこの船はバルサ材で出来た筏です。ペルーからバルサの筏? そう、この船はかのトール・ヘイエルダールのトリビュートとしてノルウェー環境省が建造したものです。さすがに今回はポリネシア人の南米起源説の主張とかではなく、ポリネシアの環境問題をテーマとした調査プロジェクトの一部。

 それでね。なんと言っても気が利いているのは、クルーの中にヘイエルダールのお孫さん、オラフ・ヘイエルダール氏が含まれていること。当年28歳。

http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2006/April/04-26-14.htm
http://www.buffalonews.com/editorial/20060420/3001685.asp

 ホクレア号の物語では、ヘイエルダールとコン・ティキ号は乗り越えられるべき対象として登場しますけども、やっぱりヘイエルダールの業績ってのはすごく大きいと私は思っています。ヘイエルダールがいたからこそ、そして彼の業績が偉大だったからこそ、ホクレア号が生まれたというのも事実の一端を捉えているでしょう。かの篠遠喜彦先生も、『南太平洋グランドクルーズ』の中で、ヘイエルダールの業績は再評価されるべきだと繰り返し指摘しておられますね。ポリネシア人の南米起源説はともかく、アメリカ大陸とポリネシアの間の文化的交流はおそらくあっただろうと。それを指摘したヘイエルダールの功績は色あせないとね。

 というわけで、タンガロア号の航海の成功を祈りましょう。タヒチではホクレア号が待ってるぜ(多分)。