異文化圏とのコミュニケーションをハナから考えていないテレビ紙芝居を見た

魔いりました入間くんという、辛うじてアニメと呼んでも良いかな程度には絵が動くものを眺めているのだが、作画枚数のケチり方が凄い。ほとんど紙芝居である。

これはディズニーのヌルヌル動くアニメに慣れた外国人にはきつかろう。

お話もご都合主義と内輪受けの極みで、つらい。

ディズニーやマーベルのアニメも諸事情により最近見(せられ)ているのだが、異文化圏の視聴者にも理解させようという意思の点で、日本の準紙芝居レベルのアニメとアメリカの大手アニメの温度差はとてつもなく大きい。

同じ釣り堀にひたすらルアーを投げている人たちと、世界中で漁業資源を開発している人たちの違いなのだが、かつては日本産の子供向けアニメが世界の子どもたちに愛され受け入れられていたはずだ。

それが今や見る影も無い。

たしかに同一文化圏(日本のオタク文化)にいる者にとっては最低限の認知負荷で理解出来て、同じ笑いのコンテクストを共有している人々との連帯感も味わえて、悪くない商品だとは思うのだが。こういうものしか作れなくなっていることが産業としての足腰を弱めているのも確かだろう。

世界のどこに持っていっても

「なるほどこれは良いですね、子どもたちに安心して見せられますし、子どもたちも喜ぶでしょう」

と言ってもらえるような、子ども向けのアニメ。日本ではもう作れないのだろうか。