ヘイト本売ってる人は、ゲス商売で稼いでますすいませんって素直に言えば良いのに

人身売買というのは、現代の人類社会では弁護の余地が無い絶対悪と言って良いと思っています。

(だから自分の小説でも、こいつは弁護の余地無く悪いやつだというキャラを出す必要があったときに、人身売買をやっている人たちを出しました)

人身売買に加担すれば、その時点でその人は議論の余地無く、人類社会に対して悪をなしたと言えます。

では兵器製造はどうでしょうか。

製造販売された兵器の一定割合は人間に対して使用されますし、その中には無視できない割合で、非合法な殺傷行為に使用されるものもありますね。

ならば兵器の製造販売に加担することは直ちに議論の余地無く、人類社会への害悪をなすことなのか? これはさすがにそうとも言い切れないでしょう。

さて、去年出て一部で話題になった本として『私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏』というものがあります。

現代日本の出版業界の様々な大人の事情で、ヘイト本が企画され書かれ編集され印刷され輸送され販売されていることについて嘆いた本です。

この本のなかに、いわゆるヘイト本とポルノグラフィを比較した部分があるそうで、私は引用部分を見ただけですが、著者の主張は、ヘイト本企画は差別で金儲けするものだけれど、ポルノグラフィは、中には女性差別の蔓延に加担するようなものも多いけれども、ジャンルそのものが差別の蔓延を目的としたものではないから、ちょっと違うよねということでした。

また、別の部分では、ヘイト本を編集したり店に並べたりするのは差別の蔓延に加担するとも書かれているそうなのですが、だったら「差別の加担」という意味ではヘイト本もポルノも同じじゃないか、ヘイト本だけ攻撃するのはおかしい、と色々なところで主張している業界人さんがいるのです。

こういうのを、言葉尻をとらえるというのではないかなと思うのですが。

かたや、最初から最後まで議論の余地無く、100%間違いなく差別ネタで金儲けする商品。表紙見ればそれがわかる商品。

かたや、そのジャンルの中には差別的な思想を根底にした表現も多いけれども、そうでないものも多く、表紙を見ただけではわからない商品。

同じじゃないでしょ。人身売買と兵器製造程度には違う。複雑怪奇な理屈で自己正当化しようとしてるけど、要はプチ奴隷商人ビジネスにチョイ乗りして給料貰ってるわけですからね。カッコヨサゲな理屈で大人の事情を一生懸命塗り隠そうとしてるけど、お前それ、子供に説明出来るんかいと思ってます。

・・・私は上品な男なので、ここで筆を置くことにします。