1986年にヤップ島から小笠原父島まで渡った航海カヌー「ペサウ」号の建造から航海までを取材し、名著『おじいさんのはじめての航海』として出版された大内青琥さんが、つい先日亡くなられたとのことです。
大内さんは、私の知る限りではリモート・オセアニアの航海カヌーが伝統航海術を用いて行った長距離航海に参加した、これまでのところ唯一の日本国民です*。
航海カヌー「ペサウ」号は、マープ島の酋長ベルナルド・ガアヤンさん、タマグヨロンさん、ワヤンさん、そして大内さんの4人が中心となって建造した船でしたがワヤンさんは1984年に、ガアヤンさんは2002年4月に、タマグヨロンさんは2004年10月に相次いで亡くなられ、いままた大内さんが旅立たれました。
今頃はまた、みなさんで新しい航海カヌーの建造の相談を始めておられることでしょう。
大内さんの御冥福を心よりお祈り申し上げます。
==
『おじいさんのはじめての航海』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4652011377
* 他に石川直樹さんがシミオン・ホクレア号でサイパンからサタワル島まで、内野加奈子さんがホクレア号で「Navigating Change」に、NPO「アルバトロス・クラブ」のスタッフがムソウマル号でヤップ島とパラオ島の間の航海を経験しています。大内さんが3000km、石川さんが1000km、内野さんらは数百kmの航程です。