今月17日から世田谷美術館で、中島敦と土方久功を採り上げた企画展が開催されます。
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パラオ-ふたつの人生:鬼才・中島敦と日本のゴーギャン・土方久功
中島敦と土方久功、二人が出会ったのは1941年7月、ミクロネシア諸島のパラオでした。日本が南洋政策を進めていたさなかのことです。土方は1929年からパラオで絵画、彫刻の制作を重ね、また民俗資料、民話、言語などの研究も進めていました。いっぽう中島は横浜高等女学校を退職し、パラオ南洋庁の国語編集書記として諸島に渡り、ほどなく二人は行動を共にし、交友を深めました。中島の晩年作はパラオでの体験が色濃く反映しており、その背景には土方との交流があるといわれています。本展では土方の絵画、木彫レリーフ。中島の著作とさまざまな関係資料をご紹介します。独自の視点を通じ、美の在りよう、そして人間精神の在りどころを深く求めた二人の足跡をお楽しみください。
【会 期】 2007年11月17日(土)~2008年1月27日(日)
【開館時間】 午前10時~午後6時(入場は午後5時30分まで)
【休館日】 毎週月曜日(ただし休日と重なった場合は翌日)、年末・年始(12月29日~1月3日)
【観覧料】 一般800円、大・高生600円、中小生400円、65歳以上600円
【会 場】 世田谷美術館
【お問合せ】 03-3415-6011
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中島敦は『李陵』『名人伝』『山月記』など、中国の古典に想を得た短編で知られていますけれども、死の前年にパラオに渡っているのです。土方久功は画家・作家なのですが、戦前にミクロネシアで長年暮らして、現地の人々の生活の克明な記録を残した人です。ご存じの方も多いと思いますが、土方はサタワル島でも何年かを過ごしておりまして、航海術やポゥの儀式についても記録を取っています(とっても高価な「土方久功著作集」に収められてます)。
関連するイベントも幾つかあるみたいですね。
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「パラオ-ふたつの人生」展関連企画
記念講演会「中島敦と土方久功・パラオでの友情」(手話通訳付き)
出演: 岡谷公二(美術評論家)
日時: 12月9日(日)13:30開場、14:00開演
申込締切日:
申込方法:
会場: 講堂
定員: 各回先着150名(当日10:00より整理券を配布)
参加費: 無料
他にも朗読会や演劇など、関連企画が盛りだくさんです。