一昨日のインターンシップ同窓会では、その後、TNTから日本リカーに移られた方のご厚意で、なんと6種類ものワインの飲み比べが出来ました。
これは最初に飲ませていただいたもの。
M.シャプティエ ヴィオニエ コトー・ド・ラルデッシュ ドメーヌ・デ・グランジュ・ド・ミラベル ビオ
コート・デュ・ローヌのエルミタージュ地区のもので、品種はヴィオニエのみ。
といっても何のことやらさっぱりわからないですね。私にもわかりません。
なので、何か別の方法で理解しようとしてみます。
まずは、どんな場所で作られているのか。
実はこれは私、ある程度知ってました。小説で次は(架空世界の)ワイン農園のエピソードを書こうと思っていて、ワイン関連の資料を読んでたんですよ最近は。
「コート・デュ・ローヌのワインです」
「マルセイユのちょっと上のあたりですよね」
フランスって六角形の形をしてるんですが、マルセイユはその右下にある港町です。いわゆるプロヴァンス地方です。
そして、マルセイユから東はすぐにアルプス山脈になり、その向こうが北イタリアです。
え? 南仏にアルプスがあるの?
全然そんなイメージ無いですよね。でも、ある。
アルプス山脈というのは、乱暴に言えば「イタリアがヨーロッパ本体に押し付けられて出来たシワ」なので、イタリアとそれ以外のヨーロッパとの間には、原則としてアルプスが、あります。
そのシワの中に出来た大きな水たまりの一つが、スイスのジュネーブにあるレマン湖で、そこからアルプスのシワ沿いに左斜下にずーっと漏れ出している水が、ローヌ川です。
ジュネーブから左斜下へ流れてきて、開けたとこに出てきたとこに出来た町が、リヨンです。
リヨンまで来た水は、そこから真っ直ぐ南に向かいます。何故かと言うと、リヨンより西はまた(アルプスほどではないけど)山になるので、それ以上は水は西に進めないのです。
地球上の川は全て自然流下ですからね。
そこで、アルプスと反対側の山の間を南へと流れていって、もうちょっとで海だというところに出来た町がアヴィニョン。
コート・デュ・ローヌはリヨンとアヴィニョンの間のローヌ川沿いの谷間です。
このワインの蔵元であるシャプティエ社の住所を調べてグーグル・マップで見てみたら、まじで谷間。右岸と左岸の丘の距離が2キロ無いくらいの谷間にありました。
コート・デュ・ローヌは歴史的なブランド産地であるブルゴーニュやボルドーと違い、20世紀に入ってから、一部の蔵元が高品質な酒を作り始めた地域なので、品質の割には安い、とされています。
今回いただいたのはエルミタージュ地区という、コート・デュ・ローヌでは一番良いとされる地区のものですが、それでも1本3000円弱。
味の方は、我々素人は飲み比べでもしないとどうこう言えるものではないので、皆さんがこれを飲むシチュエーションでは、あまり難しいことを考えずに、南フランスっぽい味付けのものと一緒に頂くのが良いと思います。
飲み比べをした私に言えるのは、ブルゴーニュの結構良い白ワインと較べても何も劣るところは無いですよ、ということですね。
グーグル・マップでジュネーブからアヴィニョンまでのローヌ川の旅を、航空写真か地形図を出して辿りながら飲むと面白いかもしれません。
あるいは、グーグルアースでこのエルミタージュという土地を見てみるとか。
蔵元の住所はこちら。
18 avenue du Docteur Paul Durand 26600 Tain l’Hermitage France