お気持ちマウンティングバトルロワイヤルの国のエクソダスは可能か

ワコール傘下の下着ブランドもデートレイプドラッグまがいのものを売ろうとして謝罪しているんですが、週刊SPAと同じく「不快な思いをおかけし」というように、お気持ちの問題として捉えている。

この度、弊社の販売する健康補助食品「ラブポーション」の商品説明及び広告表現に不適切な表現がありました。
お客様にご不快な思いをおかけし、大変申し訳ございませんでした。深くお詫び申し上げます。
多くのお客様からのご意見を受け該当表現を削除し、商品の販売を停止いたしました。
今回いただいたご意見を厳粛に受け止め、指導・管理体制を一層徹底し、再発防止に努めてまいる所存です。
改めて、多くの方に不快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます。

でも、週刊SPAもピーチジョンも、問題点は見た人の気分がどうこうじゃないはずなんですよ。
気分の問題なら、それこそ表現の自由ですから、お客様は弊社の商品は向かないようですので他社様のものをご覧になった方がよろしいのでは、で終わり。のはずよね。
実際には他人を性的に浪費することを推奨している、つまりは他人の人権を軽視したビジネスをしていたのを咎められているわけです。
お気持ちの問題じゃなく、人権の問題ですよ。
にもかかわらず、何か炎上があると反射的に「お気持ちを害してしまい申し訳ありませんでした」と謝ってしまう会社が後を絶たないのは何故か。
ずばり、現代日本社会がやたらと、お気持ちを重視しているからではないでしょうか。
インターネットが普及し始めてから10年、いやもうちょっとかな。15年くらい。2013年とかそんな辺りくらいまで、誰かがインターネットに書いたものを「不快だから削除してください」とか「これを見た人が不快に思われるかもしれないので削除させていただきました」とか、そんなのが飛び交ってましたよ。
当然、削除された方も超絶不快になるんで、ネットバトルに発展です。ブログ以前のネット掲示板時代にはこれがあちこちで発生していて、それをウォッチする趣味人まで現れてましたね。「ザ・バトルウォッチャー」なんて有名なサイトもあったね。お気持ちバトルですね結局は。そうした戦いの歴史があって今はブロックやミュートという素敵な機能が各所に実装されているのです。いい時代になった。今は「不快ならブロックして下さい」で済みますからな。
でも、不快アピールで他人を動かそうという考え方自体はまだまだ日本には根強いと感じます。
誰がいつ思いついたんだかもわからない奇怪な行動が「これが正しいマナー」と称して次から次へと流布される社会ですからね。なんだよ徳利の注ぎ口から酒を注ぐのはマナー違反とか(笑)
不快回避の「いつもお世話になっております」メールでいったいどれだけの時間と電力と通信容量が浪費されているのかなんて、想像するともうワクワクする社会です。
不快アピールを駆使したマウンティング合戦は、所詮は感情の領域での資源の浪費です。そろそろ終わりにして、もっと論理的な合意形成や意思決定を身につけるべきじゃないですかね我々。
以上、不快に思われたら大変申し訳ございませんでした。