WemakeがQuirkyのモデルから流れ流れてクリエイター搾取ビジネスになっていた

メーカームーブメントやオープンイノベーションの概念が日本に紹介された頃(5年くらい前かな)に出来たスタートアップで「Wemake」というものがあります。
もともとアメリカのQuirkyというスタートアップをコピーしたビジネスモデルで、
1) ユーザーがハードウェアのアイデアを投稿。
2) クラウドでブラッシュアップ。
3) プラットフォーム(この場合はQuirkyやWemake)が商品化。
4) アイデア投稿者とブラッシュアップアイデア提供者は貢献割合に応じた印税をもらう。
5) 商品が売れ続ける限りは印税は入り続ける。
というものでした。
ところが日本の風土なのかWemakeの能力の限界なのか、このモデルは全く機能せず(アメリカでは今も盛り上がっているようですが、日本はパール金属とダイソーがある限りこういうのは無理なんじゃないかと私は諦めた)。
それで今Wemakeは何をやっているのかというと、大手企業がハードウェアやビジネスモデルのアイデアを公募するプラットフォームになっています。公募をかける会社の懐具合によって、優勝賞金300万円から100万円くらいの幅はあります。
これをオープンイノベーションとWemakeは称しているのですが、問題はその利用規約。
・選外になったアイデアと似たものが商品化されても文句言っちゃダメ。
・採用に至ったアイデアの全ての知財は公募側企業が頂きます。対価は賞金で充当されるものとします。
・アイデアが既存の何らかの知財を侵害していないかどうかは投稿者の責任で調べておくこと。
・コンペに投稿した人は受賞の有無に関わらず、公募案件に似たネタを競合他社に提案しないって約束したことになるから夜露死苦。
・・・・どんだけ企業側に都合良い規約なんでしょうか。ほとんどタダ同然で一定領域のアイデアを吸い上げた上に競業禁止規定まで抱き合わせで呑ませて、コンペ参加者で一番お金もらえる人でもワンタイム300万円でアイデア知財買い切り。
情弱ビジネスの極み。クリエイター搾取プラットフォーム。
こんなものがオープンイノベーションと称して大手を振ってまかり通るようでは日本のクリエイターは育ちませんね。お金入らないもんね。
アイデア吸い上げ側だってこんな搾取の極みでタダ同然でアイデア集めたって、実行する段で角が取れてつまらないものになっていくと思いますよ。知恵を絞りに絞ってアイデアを出した人が中核にならないんだもん。上からの命令で作らされる人たちが進めるだけだもん。何のインセンティブも無い。成功したってそれでビッグマネーつかめるわけでもない。怒られない程度にやるだけですよそんなもん。アリバイ制作。
おそろしいことにこれ、関わった誰一人ビッグマネー掴めないんですよね。
誰が得するんだこれ? Wemakeの社員だけじゃないの? ひでえな。恥を知れ。