10月上旬、白馬山の山頂付近に構築された超巨大山小屋「白馬山荘」の公式フェイスブックページにおいて、白馬山でマウンテンバイクに乗っている人を見かけたが、これは環境破壊だし環境省に確認したところ白馬山でのマウンテンバイクは乗らないよう指導していると言われたから、もうマウンテンバイクを白馬山に持ち込まないで下さい、という投稿がありました。
これに対し、白馬山でMTBに乗っている有名な動画の存在が知られているマウンテンバイクファンが敏感に反応。
何故ならば、その動画は行政との事前調整の上で撮影されたとされているからです。
詳しくはこちら。
このマウンテンバイク縦走に関して、
念のため、
環境省と林野庁にも確認を取り、そのルールの中での行動を取っています。そしていただいた返答としては、
国立公園内でのマウンテンバイクの利用について
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1 既設登山道(歩道)施設の損傷させない
2 植生への影響を与えない
3 他の登山者へ安全配慮すること
※登山道外への乗り入れ禁止、マウンテンバイクを持って行くこと自体は問題はない。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーなので”乗れるところだけ乗ろう”というルールを決めていきました
認知的不協和です。
何が正しいのかわからない。
白馬山荘の主張も、国立公園の特別地域の中にイオンモールみたいな超巨大山小屋を建てて朝の山手線ホームみたいな人口密度のハイカーを登山道に集めて商売してる人たちがちょっと自分たちだけ棚に上げ過ぎておられませんか的なものがあり、議論となりました。
一体どういうことなのか。
幸い、ツイッターにて白馬山荘の従業員の方(「うた@白馬山荘」さん)が事情を教えて下さいました。
禁止と指導という言葉を混同するなど、白馬山荘さんの方もあまり厳密な調査をされているわけではないようです。
とはいえ収穫はありました。
今回、白馬山荘さんに目をつけられたMTB利用者もきちんと行政に事前に相談した上でフィールドに入っていたということです。
ここからは私の解釈です。
私は東京都や千代田区といったこちらの行政との調整経験しかありませんが、シンプルに書くと「行政マンは人によって言うことがかなり違う」のです。
また、法令の文章をどう解釈するのかも人によって幅があります。更に言えば同じ組織の中でAさんが「こうしてください」と言った内容がBさんCさんに共有されているなんてことは99%無い。
今回の行き違いは、そこに原因があるのだと推測します。
おそらく、今後も事前にきちんと管理事務所に相談した上でならば、白馬山をマウンテンバイクで走ることは、不可能ではないでしょう。
さて、目を海外に向ければ、スイス政府観光局やオーストリアチロル州観光局、ニュージーランド政府観光局など、山岳サイクリングを観光コンテンツの一つとして大々的にアピールしている国や地域は珍しくありません。
日本の山も、大昔に、マウンテンバイクなんてものが生まれる何十年も前に書かれた「車馬乗入れ」という曖昧極まりない一語を巡って毎度まいどこうして揉めるのはそろそろ終わりにして、マウンテンバイクの環境負荷を実証的に調査し、そのデータに基づいて適正な利用ルールを、場合によっては入山料1回10万円とかチャージしても良いと思うので、そろそろ作るべき時期だと思います。
外国のお金持ちで、1回200万くらい払ってでも日本の山岳をマウンテンバイクで走りたいなんて人は万単位で居ると思うんだな。
あ、うた@白馬山荘さんについては知り合いの学生さんからコメントが届いてました。
I think so.
なお、白馬山荘から最寄りで確実に行政法の教科書がある書店までは環境と登山道に優しい(と彼が主張する)徒歩で11時間37分ほどかかります。
MTB乗ったらもう少し早く着くけどな。素直になろうや。