放言資金という考え方

クライアントワークをしている会社が一番困るというか嫌がるのは、自社ではなく発注元の会社に、自社についての苦情や抗議が行くことです。

これを利用した社会活動として、サプライチェーンの中に非倫理的な企業活動(例えば児童労働や搾取労働、環境破壊、動物虐待など)をしているサプライヤーがある企業を発見し、そのことについて抗議活動を行うという手法があります。
例えばアパレル産業のB2C企業(GAPやファーストリテイリングなど)で生産地に搾取労働があることを発見したら、それをウェブで告発する。そうすればその搾取労働をしている工場はソッコーで切られてしまうわけです。
アップルのサプライヤーで児童労働と搾取労働が発覚して即座にアップルがサプライヤーに調査を入れたなんてニュースもありました。
同じようなことはプロアスリートにも言えます。
プロアスリートの反社会的な言動がウェブ上で発見された時、そのアスリートが最も困るのは、自分の契約スポンサーに抗議が殺到することです。
例えばマニー・パッキャオが同性愛者を侮辱する発言を行った時、ナイキは即座にスポンサー契約を解除しました。競泳のロクテ選手も強盗被害の狂言をやらかした際に、スピードやラルフローレンに契約を切られています。
とはいえ、パッキャオくらいになると、もう人生何周分ものキャッシュを持っているので、何にも困らないでしょう。手持ち資金豊富な人は強いのです。ドナルド・トランプがどれだけ放言を重ねても人生行き詰まらないのも、まさにこれです。
放言資金とでも呼びましょうか。
人の世の面白さや奥深さ、あるいは物の哀れを感じるところでしょうか。秋はやはりカボチャのお菓子ですね。