前提:現代日本におけるデジタルデバイドには二つの側面がある。すなわち、「タイピングが出来ない」「ワープロソフトや表計算ソフトが使えない」といった、テクニカルな部分でのPCスキルのある無し、そして「ガラケーしか持っていない」「キャリアメールしかアドレスが無い」「メールを定期チェックする習慣が無い」「メッセージングアプリを使えない」「ビデオチャットを使えない」「クラウドの概念が理解出来ない」「リアルで会う、電話する、FAXする以外のコミュニケーションモードを仕事で使えない」「インターネットに実名や素顔を出すことを極端に嫌がる」といった、ネットリテラシーのある無しである。
しかしながら、これからの日本ではリモートワークやビジネスチャット、クラウド、ウェブマーケティングといった領域は業務効率化に必須であり、この部分に対応出来ない人材に出来る仕事は極めて限られる、低賃金の仕事となってゆく。また、ネットリテラシーを持つ人材の不足も深刻であり、中小企業が業務効率化を進められない原因の一つともなっている。
そこで、こうした人材(定年退職者、中高年の転職希望者、子育てを終えた専業主婦など)へのネットリテラシー教育プログラムを構築し、広く展開することで、日本の人材市場のボトム部分のレベルアップを図る。
事業アイデア:
1) ハローワークの協力を仰ぎ、求職相談に訪れた人たちに「こういう教室もあるので行ってみては? オフィスやエクセルが使えるだけでなくネットリテラシーもある人材は引っ張りだこですよ」と勧めてもらう。
2) プログラムは趣旨通りリモートやクラウドを介した進行を主とし、導入部や中間の振り返りなどでスクーリングを活用する。
3) スクーリング会場は商工会の会議室や公民館などを利用し、イニシャルコストを抑える。
4) 利用するシステムはグーグルあるいはマイクロソフトが提供しているフリーアプリを用いる。これは求職者がプログラム終了後、そのままプログラムで用いたメールアドレスやアカウントを使って就職活動を行えるからである。
5) 可能であれば有名なIT企業(グーグル、マイクロソフト、ソフトバンクなど)あるいは教育企業(ベネッセ、リクルートなど)とタイアップし、ブランド力を借りる。コース終了者に、例えば「ベネッセ認定ネットリテラシープログラム修了」という認定を提供すれば、履歴書上でのアピール力も大きくなる。