根井雅弘『20世紀をつくった経済学:シュンペーター、ハイエク、ケインズ』(ちくまプリマー新書、2011)も読んだ

今日はこんな本も読みました。
根井雅弘『20世紀をつくった経済学:シュンペーター、ハイエク、ケインズ』(ちくまプリマー新書、2011)
経済学は門外漢ですが、シュンペーターのイノベーション論のところで出てきたのがベルクソンとニーチェだったり、ハイエクが社会主義を批判した際に使った考え方が知識社会学と通底していたりで、ああ隣接領域・・・。こんなとこで『時間と自由』に再会するとは。
さて、最近盛り上がっている「人社系って国立大で置いとく意味あるの?」問題では、こうした経済学の古典もまた学ぶ必要があるのかどうか問われているのかもしれませんが、はて、どうなんでしょ?
シュンペーターの議論は、この本によれば、市場の均衡がイノベーションによって破壊されると、市場の状態は跳躍的に次の均衡に向かって吹っ飛んで行くというものだそうですが、これがベルクソンの自我論を元ネタにしてるんじゃないかという指摘が出てくるのです。
私はシュンペーターは知らないですがベルクソンなら一般的な、それこそ教養レベルなら教えられますし、そのベルクソンを解題しながらイノベーションについて90分×2コマくらいでディスカッションするようなお勉強のデザインも出来ちゃいます。

では、現役のビジネスパーソンの方々はそういう勉強に全く興味が無いのでしょうか? 管見の限りではそうとも言えない気がするんですけどね。売上増には役に立たないかもしれないですが、ベルクソンの思想のサワリだけでも触れたら、その後、世界の見え方がちょっと変わりますよ。そういう知的リフレッシュとしての人社系の教養は、ビジネスパーソンが日々を戦っていく上でレッドブルよりも深い部分に効いていくんじゃないかなあと今思ってます。