友人たちがタイムラインにシェアする記事のヘッドラインしか見ておりませんが、炎上商法をやっていた論客が仕事を失ったそうです。
SNS時代、特にシェアという機能が一般的になってから、ウェブに暴論を公開して注目を集めるというやり方は、一部の顕著な成功例もあり、「炎上マーケティング」として広く認知されるようになりました。
例えば「ちきりん」「イケダハヤト」「はあちゅう」「ホリエモン」「内田樹」といった人々はこの代表的な事例かと思います。
ですが、炎上マーケティングは誰もが手を出して良いものではありません。むしろ、成功し続けるのはかなり難しいやり方だと思っています。
前出の方々は、炎上から自前のキャッシュポイント(アフィリエイトサイト、自著、セミナー、有料コンテンツ)への導線がきちんと作れていて、しかもコンスタントにコントローラブルな炎上を作れるという職人芸をお持ちの方々です。天才と認めて良いと思います。
あるいは、よほどの炎上があっても失職・失業しないタイプの人(大学の任期なし専任教員、オーナー社長、資産家など)が趣味で炎上を楽しむやり方。芦田宏直、千田由紀、香山リカといった名前が思い浮かびます。
逆に、TVタレントやプロスポーツ選手のような、「薄く広く」の人気で収入を得るタイプの人には、炎上マーケティングは向かないと思います。より精密に見ると、「製造直販形式のビジネスでない」「悪いイメージの売上への影響が大きい」タイプ。こういう人は、人気が出る過程でアンチが一定数発生するのは仕方ないとしても、わざわざ自分から炎上コンテンツを投下してアンチを増やすのは愚かです。
もう一つ。
炎上マーケティングで大事なのは、批判は徹底無視するということです。出来れば反論も避けるべき。そして絶対にやっていけないのは、論争です。
炎上マーケティングとは、浅い思考をわざと公開してバカにされるところに本質があります。そこがコア・バリューです。だから、専門家と論争すれば一瞬で破れますし、論理能力が高い人と論争すればやはり弱い部分を簡単に見抜かれて、そこから崩されます。そうなると、炎上マーケターに出来るのはポエムを呟いて逃げ出すことだけです。詩は論理ではなく情緒なので。
炎上をきちんとビジネスとして続けられている人は、だから絶対に論争の土俵には乗らない。自分のビジネスモデルの根幹を理解しているからです。賢いんです。
愚かな炎上マーケターは、自分の論が事実と論理の勝負でも優れていると勘違いしてしまう。だから勝ち目の無い論争に突っ込んで行って返り討ちに遭って、最後はポエマーになる。
製造直販モデルを準備せずに炎上を始めたり、ポエムを呟いている時点で、彼・彼女は炎上マーケターとしては2流以下ということです。ご愁傷様です。