昨日もそういう声を聞いたし、先週も聞いたし、考えて見たら年がら年中聞いてるんですが、今の学生は「ものをつくりたい」とよく口にします。
そんじゃトヨタかホンダに履歴書送って期間工になるとか、郊外の工業団地や大田区あたりの零細工場のオヤジさんとこに一升瓶ぶら下げて行って弟子入りお願いしたらどうよって、もちろん言いませんけれども。
さすがに「広告系クリエイティブ志望は死亡フラグ」と口を酸っぱくして警告してきたからか、ちゃんとモノを考える学生はSEやIT系や営業に志望をシフトさせて就活を展開してますし、既に内定も出始めてますけれど、私からはもう一つ、きちんと考えて欲しいと申し上げたいことがございます。
SEでもMDでもソリューション営業でもそうですが、なんか考えて作って売ってというサイクルに入ったからといって、そこで満足してたらそりゃ全然クリエイティブじゃないよってこと。例のパナソニック「アラサーエアコン」だって、一応誰かが何か考えて設計して製造して広告作っているんですからね。あれ、クリエイティブでしょうか?
インターネットが発達してSNSが色々出て来て、情報だけは山のように手に入る時代になりました。ちょっと気になるニュースや、目を惹く商品やサービスをチェックして情報をコレクションするのも、TumblrやPinterestを使えば殆ど惰性で出来る環境です。実際にそれをやっている学生もいっぱいいます。でも情報をコレクションしているだけでは、いつまで経っても「消費者」でしかありません(←こういう若者は実に多い)。
まずは山のような一次情報を整理して不要なものは捨て、自分にとって意味のある情報の体系を分野ごとに構築する。自分はこれは使うけどこれは使わない、何故ならば・・・・ということを「理屈で」常に考え、要らないものを捨てるサイクルを組み込み、手元に残ったものを確認して「何故これが残ったのか」を考え、「お客様との関係を意識しながら」それを言葉にする。「え~、私これが好きだから」しか言えないなら、アキッレ・カスティリオーニ先生がおっしゃっていたように、あなたは消費者の側に留まるべきです。
それをやった上で、更にその二次情報群を組み合わせ、自分独自の方法論を「お客様との関係を意識しながら」創り出す。そこまでやってようやく、「私は創造的な人間です」と口を滑らせても恥ずかしくないんじゃないかなと昨日考えました。
お客さんに頼まれてこれ作りましたから私はクリエイターってこたあ無いですよ。