デザインとエンジニアリングと社会学者のカバン作り

ダイソンのボスはロンドンにあるRoyal Collage of Artの学長なんだそうですが、インタビューでなるほどということを言ってます。

既にダイソンには専任の工業デザイナーはいない。
デザインはエンジニアリングの一部になっている。

なるほどなるほどなるほど。
これ、どういう意味かというと、製品の見た目だけを考える人に払う給料は無いぞってことです。

全然レベルは違いますが、私もカバンのデザインなんてものに片足を突っ込んでみてますので、ダイソン先生のおっしゃることはよくわかる。

我々のファザーズバッグは、機能的には複数の「空間」と、それらを人間の身体に繋ぎ止める「ひも」と「持ち手」、空間のフタをする「布」の集合体です。それぞれの空間には、固有の役割(「ミラーレス一眼を埃、水滴、衝撃から保護する」「着替えとタオルとおやつを入れる」「交換用おむつを入れる」etc)があります。それらの空間が、最も使いやすい配置で組み合わされ、最も使いやすいようなフタを付けられ、最も使いやすく壊れにくいかたちで「ひも」と「持ち手」を付けられていることが求められます。

Upside

で、そこまでやったら製品の外見の9割は決まっちゃうんですわ。最後に全体のテイストをミリタリー風とかビジネスマン風とかアウトドア風とかイタリア風なんて具合に微調整する作業もありますが、それは道具としての本質とは無関係。そして、まず大事なのは道具としてどれだけ「使える」かなんで、見た目から始まる製品開発って、道具の作り方としては邪道なんだと思います。

だから、もうRCAでは工業製品の見た目を考える専門家は育ててないよってこと、じゃないんですかね。

「工業デザインの技術者は育成していますが。もはや工業デザインは、ひとつの独立した職業ではなく、エンジニアが工業デザインについても学ぶ時代なのです。デザインはエンジニアリングの一部となっています。我が社にも、製品の外観を決めることを専門とする人はいません。デザインはエンジニアリングの一環としてエンジニアが行っています。ダイソンには専任の工業デザイナーがいないんです。」

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