さくらやの記憶

 聖蹟桜ヶ丘の駅ビルに行ったら、「さくらや」がBックカメラになってました。

 主要駅の駅ビルやその周辺に大型店舗を構えて家電製品を安売りする、といういわゆる「カメラ量販」のビジネスモデルはヨドバシカメラ、B、さくらやが東京で開始して、1990年代が全盛期だったと思います。ちなみにそれ以前に全盛だったのが秋葉原系の家電量販(ヤマギワとかオノデンとか石丸とかラオックス)で、カメラ量販の後に来たのがヤマダ電機やコジマといった郊外のロードサイド家電量販店。

 カメラ量販の思い出は色々ありますねえ。例えばBックカメラね。今はどうだか知らないですけど、昔はあそこは「店内に複数の腕時計を持ち込んではならない」というルールがあって、何故かメーカーや販社から派遣された販売員もこの対象になってました。指揮命令権が無いはずのBックカメラが何でそんなルールを押しつけることが出来たのか・・・・まあメーカーも販社も、Bに入れる販売員は潰れたら取り替える、ある意味使い捨ての人材でしたからね。

 それでね。私、ある時、間違えてカバンにもう一つ腕時計が入っていたことがあって、退店時のボディチェック(笑)でこれが見つかった。

 どうなったと思います? Bックカメラは「あいつはルールを破ったんだから別の販売員にしろ。それでおたくはうちの商品券を50万円買え。それがいやなら取り引き停止だ」とやった。本当よこれ。私の腕時計も強奪された。今考えれば立派な強盗罪ですが(公訴時効だけどね)。結局、私を派遣していたメーカーは50万円の商品券を買いましたよ。そんで私の腕時計は返却されました。

 実話です実話。そういう会社だったのよあそこ。ブラック企業。今はどうだか知らんけどね。ヨドバシはもっとまともだったし、さくらやは遙かにユルかった。だから販売員業界でもみんな、行きたがるのはヨドバシかさくらやでしたね。Bはいつも欠員が出て人探してたなあ。さくらやは、あのユルさが命取りになったんでしょうねえ。