ES療法

昨晩は3年ゼミ生とFBチャットでESの中身についてディスカッション。何度も何度もESの原稿をやりとりする中で(この学生は3回書き直させた)、学生の中にある付加価値創造のコアの部分が明確になってきます。そこから更にチャットで文言の意味を厳密に追い込み、研磨していきます。

このプロセス、付き合う方もとてもハード。でも、メチャメチャ面白いです。

漠然とした業界への憧れで語るのではなく、その業種、その職種においてカスタマーにとっての価値とは何なのか、基幹業務は何かを徹底的に追い込んで考えさせます。

同時に、適当に書いた文章がいかに実戦では役に立たないかも思い知らせるわけですね。こうやって、一つ一つのフレーズの意味と働きを厳密に検討し、無駄を徹底的にそぎ落としながら、自分の伝えたいことを完璧に伝えられる文章を仕上げていく。

学生も私もきつい作業ですが、このプロセスを通して研ぎ上げた刃は、卒論でも、その先の人生でも、最強の武器になります。

ただの就活支援と違うのは、学生の価値観や世界観まで遡って答えを要求する点でしょうか。チャット先の学生は、世界と自分の間に祖国を媒介項として立てるかどうか答えろと問い詰められて悩んでました(笑) その次には文明論について。グローバリズムや科学技術の功罪について、自分の立場を確認させる。

これ全部、ES書くためのディスカッションです(笑)ESも自己分析も、丁寧にカウンセリングしてやれば、素晴らしい教育プロセスになるんだなと実感しました。もちろん就活突破のためではなく、これからの人生を考える好機という位置づけです。

とはいえ、個々の学生の内面や志向、特徴、成長の経緯などを1年以上は丁寧に見続けて、しっかりした信頼関係を作っていないと出来ないことです。キャリアセンターの職員には絶対無理。もちろん、世にあまたある有料就活塾ではあり得ないソリューション。