南山の西側をMTBで走って来ました。着工前に較べると走れるエリアは半減なわけですが、実は走って楽しいエリアのかなりの部分が開発区域外なので、まだまだ楽しめます。
今日、山の中で見かけたのは4人。ランニング中のおじさん1人、農家さん2人、「めぐみの里山」で作業しておられた方が1人でした。そんなもんです。貴重だの新宿から40分のと騒いだところで、実際に頻繁に足を運ぶ奴がどんだけいるかといえば、全然居ないんですよ。だって・・・・要はただの藪と雑木林ですからね。MTBやトレランのフィールドとしては貴重ですけども、そういう使い方以外ではなかなか楽しみようがない。アニメ映画や写真集で見せられれば何だかとてつもなく魅力的な場所に思えるのでしょうけどもねえ。農用林のなれの果てに君達どんな幻想を抱いているのかと(山畑の写真に「田んぼ」とかキャプション付けるレベルの知識で「里山」語られてもな)。
結局、グリーンワークさんや東京里山開拓団さんや「南ちゃんの会」みたいに自前のフィールドを確保してそこをいじって遊ぶか、MTBやトレランのフィールドに使うのでなければ、農用林の残骸なんかさして楽しいとこじゃないんですよね。実際、今日お見かけした方々は「トレラン」「農業」このどっちかのために南山に入っていらしたわけで。え? 写真? 最低でも400ミリ級の超望遠レンズに5万円以上の三脚を持っていない限り、撮れる絵は限られてますよ。大道谷戸を広角で撮って、里道を広角で撮って、葉っぱをマクロで撮って、それくらいでしょ。ネイチャーフォトでメリハリの利いた写真を撮るのは滅茶苦茶難しいです。
それ以外のやり方で「里山」を楽しもうと思うんなら、徹底的に日常生活に役立つようにデザインしていくしかない。コンビニや郵便局やスーパーと同じ、便利さや有益さで評価される空間にするしかないんじゃないの?
そういう論文を書いて、下書きを「南山の自然を守り育てる会」の菊地さんにも見せたのが確か先月でした。それを読んだからなのかどうなのか、こないだ菊地さんの会が出した会報には「里山をどう定義するか考えないといけない」なんて文章も載っていましたね。
でも菊地さん、悪いけどそんなことは「南山・何でも検証ワークショップ」の時から俺が散々言ってきた話で、いまだにそんな基本的な問題提起のところでうだうだやってるってのは、正直恥ずかしいことだと思うよ。確か2008年には奥畑谷戸公園の植栽デザインと管理計画を作り始めてるって言っていて、いまだに「里山とはなんぞや」なんて話をしてるってのは、要するに3年かかって何も進んでないってことだからね。
俺の考え方と菊地さんの考え方は殆ど違わないのに、何で会としてこれで行くとバシッと決めて議論を先に進められないのか。本当なら、もう議論はその先の段階、トトロ妄想の脳内里山病を克服した上でどう現実の街作りに落とし込んでいくかを詰めているはずの時期だってのに。あれも里山これも里山って全部の意見残そうとするから身動き取れないんだって何度忠告したことか。
そろそろ切り捨てるものは切り捨てて先に進むべきだよ。