田布施が動いた!

 友人の松村文彦さんが徒手空拳状態で挑んだ山口県田布施町の町長選。

 町議とか青年会議所代表とかPTA会長などの経験も無く、教育施設職員を退職していきなり町長選出馬という、あまりにも過激な大ジャンプの計画を聞かされた時から、「まずは町議からでどう?」と引き留め続けていたわけですが(笑)、そのまま突撃した結果はこれ。

★当日有権者数13501
★投票率は63.51%
★結果

長信正治(無所属・現職) 4176票(49%)
松村文彦(無所属・新人) 3439票(40%)
木村博通(無所属・新人) 870票(10%)

 正直に言って私、初戦では得票率で8対2くらいの大差を付けられて負けるだろうと予想してました。申し訳ありませんでした。なにぶん、ネット選挙が解禁されていないんで、松村さんの具体的政策とか選挙戦の様子とか全然伝わって来なかったんですが。

 松村さんから先ほど電話をいただき、「町は動きました!」との力強い声を聞いて、驚くやら嬉しいやら。

 田布施はこれまで2人の首相(岸信介・佐藤栄作兄弟)を出した超保守の地盤。しかも、かつての岸派と佐藤派の派閥争いの影響が今に至るまで残っているという、何とも難しい場所です。若さとか無党派とか公務員叩きとか市議会叩きという看板だけで勝てる場所ではありません。実際に、選挙運動を開始してからも、苦戦が続いているとかなんとか聞いていましたしね。

 合併問題をきっかけにして、岸派・佐藤派の対立の構図がシェイクされたとか、民主党が比例票で自民党を超えたとか、変化の兆しかもしれないものはあったようですけれども、それが松村さんのところまで届くものなのか。どうなんだろう。

 と思っていたら。すげー。私、さっきの松村さんとの電話で何回「凄い!」と叫んだか。凄いよ松村さん。ただ、こっからが正念場ですね。現職とここまで接戦に持ち込んだということは、それだけ現在の町政に不満を持つ層が多いということ。何か一発スキャンダルでも出れば引っ繰り返っていたくらいの接戦ですからね。

 次の選挙までに、この750票をどう埋めるか。

 ここで稲城みたいに現職へのなりふり構わない攻撃をやってしまったら、脱派閥抗争を掲げた松村さんへの信用が失われますし、松村さん自身も政策の勝負をしたいとおっしゃっているので、あり得ないでしょう。

 松村さんが事務局長をやっていたアースデイ瀬戸内のようなイベントで、町を面白くしていけるかどうかだとは思うのですが、町の行政としては、現職町長の最大のライバルの活動を思い切りサポートするというのも難しいはず。

 ただ、斬新なアイデアを練る時間はありますからね。私なんかは田布施のような農山漁村的な場所で有効な政策の知識があまり無いんですが、取り敢えず今回のマニフェストを送っていただけることになったんで、面白そうなイタズラが閃くかどうか、まずは読ませてもらおうと思ってます。