書いてはみるもんだ

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 この写真見てください。うちの近所の交差点なんですが、注目して欲しいのは、歩道の石畳部分。石畳の中に、石畳じゃない部分が出来ているでしょ。これ、最近改修されたんです。以前は全部石畳だった。

 五体満足なら別にまあ良いんですよ。石畳格好いいし。

 ところがですね。いくら五体満足でも、いざ育児をしてみると、こんな使いづれえもんはねえぞってくらい、このお洒落な石畳が邪魔くさいんですわ。何しろベビーカーは押しづらいし三輪車や子供用自転車は走りづらい。パヴェですからね、パヴェ。あのツール・ド・フランス7連覇のランス・アームストロングでさえ、石畳区間が延々続くフランドル地方のレースでは散々な目に遭ったというくらい、「輪っか」にとっちゃあ厄介なのが石畳であります。

 それで頭に来て、本来は音楽学/社会学の研究者である私が、その辺の都市設計に文句付ける論文を書いて投稿したのが『多摩ニュータウン研究』の12号でした。今年の春に出た号。

(前略)また公園通りの歩道は石畳になっている部分も少なくないが、車輪径が小さい上にサスペンションも付いていないベビーカーでは、同じ力で押す場合の速度は明確に低下する。結果、こうした石畳は親と子いずれの体力も無駄に消耗させる。筆者が観察したところでは、同じ区間内に石畳とそうでない舗装がある場合、ほぼ全てのベビーカーが石畳を避けていることからも、育児者にとっての石畳が不快な存在であることが推測される。
 特に問題なのは大型スーパーである三和稲城店の駐車場出入り口(地下、屋上、地上のそれぞれが別の出入り口を備えている)や交差点の周辺である。これらの場所の歩道は全面的に石畳となっているが、多くの自動車が出入りする駐車場入り口前は、親にしてみれば可能な限りスムーズに、素早く通過してしまいたいし、横断歩道を渡り終えた際には出来るだけ早く車道から離れたい。そこに限ってベビーカーの通過に最も不適な石畳舗装がなされていることも、非合理的と言えよう。(加藤晃生「多摩ニュータウン向陽台地区の育児空間の現象学的分析」より抜粋)

 書いてはみるもんですねえ。取り敢えず一番人通りが多い城山公園交差点はささっと改修してくれました。見ていると、やっぱりベビーカーは石畳避けて通ってるんですよ。単純に嬉しいですよね。

 もう一つ、文句をつけておいた、中央公園の滑り台前の自転車(遊具と砂場の間を自転車がビュンビュン走るので危なくてしょうがない)の件も、なんだか柵とか立て看板とかで、予算が無いなりに対策をしようとしている気配は濃厚です。いずれ本格的な予算が付けば、もっと根本的な改修(多摩川サイクリングロードの調布市内に設置された激段差舗装とか、一旦自転車を降りないと通れないような車止めとかの設置)があると信じてますから。