「10年後の東京」への実行プログラム2010」

 東京都が「「10年後の東京」への実行プログラム2010」を発表しました。

 中でも私が注目するのは目標1「水と緑の回廊で包まれた、美しいまち東京を復活させる」というもの。この計画そのものは以前から推進されているのですが、今年度の改訂で新たに入った項目が多摩・武蔵野にとっては非常に大きい。

*「緑確保の総合的な方針」等に基づく緑の保全
**崖線や丘陵地を守る取組の推進
**貴重な都市農地の保全

 「崖線や丘陵地を守る取組の推進」では武蔵野台地のアイデンティティの根幹の一つである崖線(立川崖線、府中崖線、国分寺崖線)の保全について明記されていますし、区部と市町村部との環境学習を通した連携というアイデアも入っている。

 都市農地つまり市街地の中に残されている農地については、私も一昨年に稲城の長期総合計画市民会議で提案しましたが、自治体が借り上げてクラインガルテン(ドイツ式市民農園)化する仕組みを検証するという事業が入りました。

 予算は「施策1 緑あふれる東京を次世代へ継承」というグループ全体で単年度370億円。3年間で1174億円。もうちょっと付けてもらいたいと言いたいところですが、ここは敢えて別の言い方をします。「税金を出せというのも良いが、まずは都民自身が自分のアタマを使い、自分の手を動かさないと駄目」。

 だってねえ、何でも「税金を出せ」「行政がやれ」じゃお金いくらあっても足りませんよ。「じゃあその予算はどうやって捻出するの?」「それは行政の無駄を省いて・・・」ってんじゃとことん無責任。資金利用の効率化・最適化をやるのに、行政という枠組みの中で最適化するのと、行政のカウンターパートとしての市民との協働という枠組みの中で最適化するのとでは、後者の方が最適化度合いが高くなるのはモノの道理です。

 私の言っていることがわかる人は21世紀型の市民です。市民自身も社会のシステム運営に対して自身の関わり方を効率化し、社会の最適化の責任を分担していく必要がある。欲望の赴くままに生きておいて、行政は下僕のように自分たちをサポートしろという市民は要りません。

「目標6 都市の魅力や産業力で東京のプレゼンスを確立する」の中には「施策19 隅田川から始まる「水の都」東京の再生」というのもあるのですが、これについてはまた明日か明後日。