ムソウマルとシミオン・ホクレアがパラオまでまた

 2月末からヤップ島の航海カヌー2艘がパラオまでの航海をしていたそうです。

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 古い方のカヌーは「ムソウ・マル」。拓海広志さん率いる日本のNPO「アルバトロス・クラブ」が資金を提供して建造し、1994年にマウ老師の指揮のもとパラオまで行って帰って来た船です。この航海が無かったら2007年のホクレアとアリンガノ・マイスのパラオ寄港は難しかったんじゃないかというのが、横浜シンポジウムの時のバックステージでの会話でした。

 もう1艘は「シミオン・ホクレア」。マウ老師がたしかサイパンで建造してサタワル島まで行き、それからヤップ島まで回航して2004年の太平洋芸術祭パラオ大会にも参加した船ですね。サイパンからサタワル島までは石川直樹さんが乗り(例の気球の冒険と並んで最も過酷だった冒険行だったらしいです)、ヤップ島からパラオまでは林和代さんが乗ったという、結構日本人にも縁がある船。

 この2艘が2月の26日にヤップ島を出てパラオに向かったのだそうです。主催は「ヤップ伝統航法協会(The Traditional Navigation Society of Yap )」。そんな団体も出来てるんですね。クルーは以下の通り。

ムソウ・マル
1. Bruno Tharngan
2. Vincent FigirNavagator Ali prepares for departureTharngan prepares for departure
3. Edward Pasan
4. Mathew Chomed
5. Bernard Yoruw
6. Blaise Gaag
7. Nicolas Gamagag, and
8. Alfred Amthun

シミオン・ホクレア
1. Ali Haleyalur
2. Paulino Gelaumai
3. Johnny Ratiglur
4. Rocky Saremaitig
5. Spencer Tafileluo
6. Johanness Hashigeluw
7. Rolan Halishilmal
8. Selvister Mailshy, and
9. Magnus Resemanglug

 航法を担当するのはそれぞれBruno Tharnganさんと Ali Haleyalurだそうです。ブルーノさんはヤップ本島のマアプ島の方。これでおっと思う人は航海カヌーマニアです(そんな奴は日本に1人しか居ないっての)。そう、ガアヤン酋長の村がある地区ですね。村は違うみたいですけど。この方は去年のマウイ国際カヌーフェスティバル(世界最大のカヌーの祭典)にセサリオ師と一緒に参加しているので、たぶん日本のテレビ番組にも写っている人なんじゃないかと。

 サタワル島のLeo Racheilugさんという酋長も出航の式典に参列しておられたようです。Ali Haleyalurさんはラモトレック島の方だそうですから、ユルピイ師の弟子筋なんでしょうか。この式典にはラモトレック島のCarlos Yarofaireg師という航法師もいらしておられたそうですが、この辺の状況はちょっとわからないですね。

 この航海はパラオの新しい大統領の就任を祝うものだそうです。そういえばかつてムソウ・マルの石貨航海をした時のパラオ側の協力者が最近パラオの大統領になったとかなるとかいう話を拓海さんから聞いた気もします。

 なお、2艘は無事にパラオまで到着したのですが、往路の航海でムソウ・マルもシミオン・ホクレアもちょっと壊れてしまったので、帰りは別の船で帰ってきたとか。

 それでヤップ島といえばアリンガノ・マイスはどうなったんだというマニアもいらっしゃるかと思いますが、アリンガノ・マイスは昨秋からパラオを母校にしての訓練をしています。それで、まさに今日、セサリオ師の指揮のもとパラオを出てヤップ島経由でサイパンに向かったそうです。

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 あと、今年の10月にヤップ島で第1回ヤップ島カヌー・フェスティバルが開催されるんだそうです。