EFを使わない矜恃

 世はいきなりの大不況で、毎日のように「派遣切り」のニュースが飛び込んできます。無惨な話です。特にどうかと思うのが経団連会長が社長をやっているあの会社ね。あの社長は小泉政権時代から、事あれば人材派遣法の「規制緩和」を主張してきた人ですが(いまだに人材派遣法もっと緩くしろと言っているし)、ご自分の会社でも擬装請負が発覚してあわてて直接雇用にしてみたりとか、最近では大分の子会社で日本企業の先頭をきって派遣切りに邁進したりとか。

 本当にいかがなもんかと思います。同胞を安い賃金で食い散らかしておいて、不況になったら真っ先にクビを切って寒空の下に放り出す。しかも「うちが切ったんじゃない。取引先の請負会社が切ったんだ。」と公言する始末。それで地元自治体が尻ぬぐいで任期付きの公務員にしてるわけですが、ご本尊さまはといえば法人税負けろとかとにかく自分の懐を暖めることしかアタマに無いときた。

 もともとこの御仁、アメリカ支社で自社製品の売り上げをどーんと伸ばしてのし上がった人ですから、骨の髄までアメリカ流弱肉強食が染み込んじゃってるんでしょうね。つーかあんたもう良いから、アメリカ国籍取って日本から出て行かない? と言いたくなります。

 さてしかし。思い出すのが2007年のホクレアの日本航海。各地でお会いしたプロカメラマンの多くが、この会社のデジタル一眼レフをお使いだったんですよね。そりゃあたしかにあの時点では、性能で言えばこの会社のデジタル一眼レフは他を圧していたと思います。仕事の道具に使うならこれでしょうがない。雑誌にも単行本にも、この会社のカメラで撮影されたホクレアの写真がいっぱい使われていて、良い写真も山ほどあります。

 ですが私は15年前からこの会社、や~な会社だなと思っていましたので(取引先だったここの販社の社員のチャラけた感じとか、とにかく私とは合わなかった)、とにかくここのカメラだけは意地でも使わないでやってきました。今もそうですし、息子にも「キヤノンの製品だけは絶対に買うな」と言い聞かせてます。

 どんなに安くて性能が良くても、同胞の生き血を啜って大もうけしているような会社の品物は買わない。これからはそういう姿勢が大事になってくるんじゃないでしょうか。世の中を良くしていくためには。