書評・読書記録

清水真砂子『幸福に驚く力』(かもがわ出版、2006)を読んでギョーカイ裏話の功罪を考えた

翻訳家の清水真砂子の講演録『幸福に驚く力』(かもがわ出版、2006)をついでに借りてきて読んでいるのだが、これが予想外に面白い。外国は知らないが日本では最近、編集者という肩書の人がやたらとドヤるようになっていて、俺は何百万部売った、私は何十...
書評・読書記録

クイア的なファンタジーといえばル=グウィンより河惣益巳ではないか

ル=グウィン『帰還』を昨日読了。個人的にはフェミニズム小説としてめちゃくちゃ楽しかった。出た当初(1990年)には上橋菜穂子すら拒絶反応を起こしたという話があって、いかにル=グウィンが思想的に尖っていたのかがわかる。ただ、ル=グウィンをジェ...
書評・読書記録

「ドラえもん のび太の新恐竜」はまるでポケモン映画だった

昨日は息子と「ドラえもん のび太の新恐竜」を見てきました。映画館で見るのは、自分が子供時代に見た「のび太の恐竜」などを別にすると「新・のび太の日本誕生」から5作品連続です。チケットだけじゃなくて毎回、グッズも必ず買ってるので、まあロイヤルカ...
書評・読書記録

『影との戦い』(The Wizard of Earthsea) 書評

順番は前後しましたが、『壊れた腕輪』が結構面白かったというか、私の好みにマッチしていたので、遡って1作目も読みました。いわゆる「ゲド戦記」(岩波の社員が適当に考えたシリーズ名なのだそうです)のエピソード1。主人公は魔法使いとしての素質豊かな...
書評・読書記録

初めて『ゲド戦記』を読んだら自分の小説(の2作目と3作目)にプロットがめちゃくちゃ似ていて驚いた件

アーシュラ・K・ル=グゥインの『壊れた指輪(The Tombs of Atuan)』を読みました。日本では誰が何を考えて名付けたか「ゲド戦記」と呼ばれるシリーズの2作目です。本来のシリーズ名はThe Earthsea Cycle。この本は1...
インターネット文化

カマラ・ハリスは学生時代に2Pacを聴いていたと本当に言ったのか

カマラ・ハリスが2Pacを学生時代に聞いていたという嘘を言った(から彼女は信用出来ない)ということを押野素子という翻訳家がツイートしていたので、何の話だろうかと調べてみた。どうも彼女が嘘をついたと言い切るのは難しいようだ。彼女がTVショーに...
スポーツ

日が沈む三浦半島の海辺から助手席に若い女性を乗せて第三京浜を走って大田区の一人暮らしの自宅まで送り届けることの非ロマンチック性

昨日は教え子2人連れて(リクエストがあったので)三浦半島を城ヶ島までロードバイクで走ってきました。三浦半島に限らず、半島って道狭い&アップダウン多いんで、初心者にはつらいんですよ。でもリクエストだったからね。坂を上ってたら頑張ってついてくる...
アート&デザイン

文芸イベントに呼ばれる編集者や作家の内面を推し量る

アマチュアだから何でも好きにやったほうが良いとは思うけど、プロ志望の人たちがあちこちのネット文芸ムラに出入りしているのは、弊害の方が大きいだろう。 ムラで評価されるような書き方になっちゃうおそれがあるし、ああいう人たちを食い物にする編集者や...