色々と特殊な、でもないですがプロフェッショナル職のウェブサイト構築/再構築をいっぱいやってきて実感したこと
1) 技術はなんとかなる
普通のウェブサイトであれば汎用プログラムのカスタマイズで作れます。よほど特殊なものや大規模なものは別ですが、そういうのはプロフェッショナル職のウェブサイトには必要無いし。
2) 見せる順番を考えるのが大事
たぶん、人にものを教えるという意味では先生の仕事と同じなんでしょうけども、一度に全てを教えることはできないので、何をどの順番でどんな語り口で見せていくかということを考えるのが非常に大事です。
たとえば、うちの主力商品は機械式時計の修理ですというお店があるとしましょうか。
実店舗をイメージしてね。
店に入ったら所狭しとあらゆる道具や部品や専門的なサービスメニューの一覧といかにも頑固そうな職人が出迎えてくれるところと、そういうものが一切無くて最低限のサンプルと値段表、あとは高級機械式時計の世界観に合わせた高級な内装とソファーがあるだけで、接客専門のスタッフが迎えてくれるところ。
どっちが怖くないか。
職人のこだわりと一見さんのハードル感のバランスをいかに調整するかが大事。
3) 最後は言葉を突き詰める
なんだかんだで最後はここにたどり着きます。
職人さんの溢れる情熱や知識やこだわりを「つまり、こういうことですか?」という文章にして「ここは違う!」「ここをもっと強調したい」「じゃあこういうのでどうでしょう?」というラリーをしていく。
このラリーの中で職人さん自身も、自分の商売のコアの部分は何か、今まで伝えきれていなかったことは何かを発見していく。
たとえば、ヴァイオリニストが「バルトークやイザイとエルガーやクライスラーではかなり違う」ということを言うとき、そこではヴァイオリン演奏のコアに近いことが語られようとしています。
これをそのまま文字起こししてウェブに載せるのは誰でもできる。安い仕事です。
「バルトークとエルガーは違う」という言い方でヴァイオリニストが言おうとしていることを「つまりこういうことですか?」「こういうこと?」というように徹底的に掘り下げていくのが私の仕事です。
4) 化粧品や栄養食品のランディングページづくりとは全く別なんです
ウェブマーケターの武勇伝といえばこの辺の商材を俺のウェブデザインでどれだけ売ったとかいうのが定番ですが、そういうのとは全く別の仕事ですね。
プロフェッショナルの仕事のウェブマーケティングは。
バカスカ売りたいんじゃなくて、ちゃんとわかってくれる筋の良いお客さんにリーチしたい。嘘やハッタリで売るなんて美しくないことはしない。
とりあえず思ったことをまとめておきました。