左遷された育休明けパパにも、自分の給料分は自分で稼ぐチャンスを与えてみてはと思うなど

アシックスが育休取得した男性社員を営業から外して物流子会社で倉庫内軽作業をさせたり、人事部付きにしてどうでも良い文書の英訳をやらせたりしている件。
 
倉庫内軽作業をやっている人たちに失礼だろうという非難を見るが、実際には「アシックスが彼に払っている給料に見合う業務かどうか」が問題のように思える。
 
例えば時給1200円の人と同じ業務しか指示されていないのであれば、アシックスは彼が自分の給料分を稼ぎ出すチャンスを与えていない。
 
人事部付きでの業務にしても、翻訳や法務のプロではない正規雇用の正社員がやるより、プロに外注した方が安いし早いし品質が高い。経常利益を下げるような経営をしているように見える。
 
物流子会社に出向なら出向で良いと思うのだが、それであれば、物流コスト削減業務で自分の給料分を稼いでみせろ、でなければ給料は下げる、くらいの関係性が良いのではなかろうか。営業なら営業で、育児しながら給料分を稼ぎ出すチャンスを与えた上で、結果が伴わなければその時は減給でも異動でもやったら良いのではないだろうか。
 
(うちの妻のような)一握りのエースにしか育休取得権が無い会社あるいは国家というのを考えてみたのだが、どうにも仕組みとして上手く機能する気がしない。
 
「高給取りのエースは育休を取れるが、相対的に薄給のその他大勢は子供を作ったらグダグダ言わずに会社を辞めて、育児が終わったら就活してください」
 
そういう国で敢えて出産・育児に挑戦しようという人がどれだけ居るだろうか? 逆インセンティブしかない。
では逆はどうだろう。
 
「高給取りのエースは子供作らなくて良いからバリバリ稼いで下さい。その他大勢は、いくらでも他の人間で替えが効きますから、どうせなら2人でも3人でも子供を作って、社会の持続可能性に貢献よろしく」
 
これもなかなかのディストピアな響きがある。



結局、性別で分けて年功序列賃金にしていると、「男でこの年令ならこの働き方以外は認められない」という非常に窮屈な賃金体系になってしまうので、男が育休など制度はあっても使うのは許さないということを、見せしめ人事で周知するしかなくなってしまうのだろうか。かつてのような専業主婦の存在を前提とした男性社員の働かせ方が難しくなることは間違いないのだから、Pay for Roleの考え方の賃金体系にしていった方が良いと思うのだが。

アシックスの彼もよろしければ是非、弊社オリジナルファザーズバッグを試してみてね。