平成仮面ライダーシリーズの本質は「俳優養成学校を中核としたコミュニティ+エコシステム」であるという発見

昨日は某所で「あのおじさんは何故あそこまで大量の仮面ライダーネタをフェイスブックに投下するのか」問題が議論の俎上に載せられていたらしいのです。JASDAQ上場テックスタートアップ創業副社長と教え子との間で。

何故・・・・理由は特に無いのですが、原因ならばわかります。

アンテナに引っかかったものは本質に届くまでは掘り下げる癖があるから。

平成仮面ライダーシリーズは何か、他のSFX作品やテレビドラマとは違う。それは何か。その探求プロセスなのです。

もちろん仮面ライダービルドとか仮面ライダーエグゼイドとか仮面ライダードライブといった作品群が大変良く出来ているのは確かですが。カネのかかり方ならばNHKの朝ドラや大河の方が上です。

でも朝ドラも大河も放送中は盛り上がるけど、放送が終わったらそれで終わりですよね。民放の1クールドラマならなおのこと。

あれだけ盛り上がった「逃げ恥」。

今どうなってますか? どうもなっていないでしょう。

一方、平成仮面ライダーシリーズというのは、そういった他のテレビドラマとは明らかに違う何かがあります。ビジネスモデルが違うし、受容のされ方が違う。

シリーズ内の作品間での客演は当たり前。

冬の主役引き継ぎ共闘映画(9月放送開始の新作と8月放送終了の前作の主人公ライダーの共演)、夏のラスボス戦直前外伝映画。

外伝として製作されるVシネマ群。

児童誌(『てれびくん』『テレビマガジン』『コロコロコミック』など)への展開。

言わずもがなの子供向け玩具群(食玩、DX玩具)と、大人向け玩具(プレミアムバンダイ)。

オーディションで選んだ駆け出し男優を1年かけて鍛え上げる虎の穴育成システムと、卒業後も「仮面ライダー出身俳優」として扱われるブランド化。

膨大なファンアート。

つまり、巨大なエコシステムでありコミュニティになっているのが平成仮面ライダーなんです。最近ようやくそれが見えてきた。掴めてきた。

この武田航平のブログなんか平成仮面ライダーシリーズの本質を良く表してます。
画面奥から
  • 小野塚勇人(九条貴利矢 / 仮面ライダーレーザー)
  • 犬飼貴丈(桐生戦兎 / 仮面ライダービルド)
  • 武田航平(紅音也 / 仮面ライダーイクサ、猿渡一海 / 仮面ライダーグリス)
  • 町井祥真(グラファイト)
  • 井俣太良(追田現八郎)

彼らの出演作品は客演を除いても仮面ライダーエグゼイド、仮面ライダービルド、仮面ライダーキバ、仮面ライダードライブ。

一体どういう繋がりなのか。エグゼイドチームとビルドチームは冬映画で共演している。それで繋がっているんだろうと想像はつきますが、エグゼイドチームとドライブチームは間にゴーストチームが挟まってるよな。どうなってるんだこれ。でも繋がっている。

この、年度を越えて繋がっていく感じは、中学や高校の同窓会ですよね。

映像作品のシリーズがエコシステムやコミュニティ化することは決して珍しくない(スター・ウォーズやROL、ハリー・ポッターなど)のですが、平成仮面ライダーシリーズがそれらともなお一線を画しているのは、この、年度単位で俳優陣と脚本が総入れ替えになりつつも(プロデューサーと製作スタッフは継続)先輩後輩としてコミュニティの中で繋がりがある、平成仮面ライダースクールシステムなのではないか。

キーワードを再度掲示。

 
平成仮面ライダースクールシステム。
 
エコシステムとコミュニティの中核にあるのは、俳優養成学校。
1年ごとにトップスター陣(仮面ライダーに変身する男優たち)が卒業し、翌年度のトップスター陣との公開引き継ぎセレモニーがあり(あるんです)。
ん? どっか他でも聞いたことがあるなそれ。男版の宝塚?
でも、そういうことではなかろうか。