タスクの優先度管理と見切りについての相談がありました

去年3月に卒業した教え子から、仕事の上でのタスクの整理と見切りについて質問されました。

私なりのアドバイスは既に返したのですが、大きな組織でマネージャーをした・している経験のある方々の集合知にも期待したいので、ここに私のアドバイスを書き記しておきます。

1) 相談の内容

・上から指示された諸々のタスクがパラレルで進んでいる際、個々のタスクを完了すべきポイントが判断出来ない。
・具体的には、成果物のクオリティをどこまで追い込めば良いのかの判断が難しい。
・もう一つ、自分固有の問題として、指示を受けた際にそのタスクについての質問を徹底的に行ってしまう傾向があり、この質問プロセスで時間を使うので、タスク処理そのものに使える時間が減ってしまう。
・先輩に相談したところ、色々試行錯誤して自分なりのやり方を見出すしかないと言われたが、そういう闇雲なやり方は非効率的なのではないかと感じて悩んでいる。
・参考になるような本があれば紹介して欲しい。

2) 私からのアドバイス

・タスクは3分類しなさい。具体的には「A) 沢山の人に大きなインパクトを与えるものはギリギリまで追い込む」「B) 自分や自分にとって大切な人に一定以上のインパクトを与えうるものはAの9割を目安に」「C) 上記2種に当てはまらないものはAの8割を目安に」。
・8割を基準にする理由は、クオリティを8割まで上げるのは比較的短時間で済むが、その先は投入する仕事量に比して向上するクオリティの割合がどんどん小さくなるから。
・沢山の質問が出来るということは視野が広いということなので、原則としては良いことである。ためらわないように。
・ただし、質問をする前に、何を自分は知りたいのか、何故それを知りたいのかを紙に書いて整理し、最も効率良く情報を得られる質問の仕方を考えなさい。
・参考書としては安宅和人『イシューからはじめよ:知的生産の「シンプルな本質」』(英治出版2010)を推薦する。内容についてわからないことがあればいつでも質問して良い。