昨日の写真文化論です。
1970年代以降のアート系写真家について6名が順次報告。
順に
ウォルフガング・ティルマンス
杉本博司
マーティン・パー
ジェフ・ウォール
ライアン・マッギンリー
ナン・ゴールディン
を取り上げて、作家の経歴と代表作の分析をしてもらい、最後に「自分がその作家をパクるとしたら、どうするか?」という視点でプランを出してもらいました。
何故「パクる」かというと、この時代以降の作家はコンセプトメイキングが非常に大事で、「パクリ」が出来るということはその作家のコンセプトが理解出来ていると判断出来るからです。
一番面白かったのは澤柳さんによるジェフ・ウォールのパクリプラン。ジェフ・ウォールはステージドドキュメントの巨匠なのですが、澤柳さんは自分がパリの地下鉄の車内で見た「ゲイの濃厚なキスシーン」を、ステージ度ドキュメントとして東京メトロで撮影するというプラン(実行はしないですよ)を提案。
これは見事にジェフ・ウォールの作品の構造を模倣出来てますね。
そこまで食い込めていない学生のプランについては、私からプランの補足や修正をするという形で、理解を深めてもらいました。
また、全体の解題として、1970年代以降には「自己言及のパラドックス」を流用した多義的な作品が数多く制作されているという説明をして年内講義は終了です。
OGも顔を出してくれたりして、昨日も個人的には満足度の高い90分間でした。