BE COOL AINU

北海道在住のミュージシャンのOKI氏が、北海道電力に支払うべき電気料金を支払わず、それをツイッターで逐次報告しておられます。

北電電気料金4ヶ月不払いについて。北電に泊止めないなら電気代払わないと言ったら、北電にトマリはさておき、あなたの電気は来週トマリますと言われたので、泊動かす理由を述べにうちに来てくださいと言ったら、なんと北電さん来週うちに来て説明することになった。

泊とめなきゃ電気代払わないについて 明日電気止めますと言われて2週間経過 まだ止まってない。 (引用元URL)

泊とめなきゃ電気代払わないミッション遂行中 北電が持ってきた「福島をふまえて万全な体制とってます!」みたいなパンフレットには肝心の想定震度が書いてなかった。「なぜか?」「あえて外しました」だって。だまされねえからな。
(引用元URL)

誰かが反原発運動をされることは日本国憲法で認められた政治活動や言論の自由の範疇なので、全く問題無いと私は思っています。ですが、それと電気代踏み倒しは話が違います。既に自分が商品を受け取って使ってしまったものの代金を払わないのは、窃盗ではないでしょうか? 北海道電力が生産した電気を使いたくないというのなら、これまでの料金は支払った上で北海道電力との取引を中止し、つまり全てを自家発電に切り替えていくべきかと思います。もちろんそれでも都市インフラ(信号機や融雪装置)に始まり、商店に並んでいる全ての商品、医療や教育などの公共的施設などなど、北海道電力が生産した電力が介在するものを全て排除して生活することは、中世以前の生活様式に完全に戻らない限り不可能でしょうが、そこまでやるべきだとはさすがに言いません。

もう一つ私が懸念しているのは、OKI氏がアイヌの血を引く方であるという点が世間に与える影響です。氏の御父様は国際的に知られる木彫作家の砂澤ビッキさんですし、氏もサハリンのアイヌが使用していた弦楽器「トンコリ」の奏者として国際的に高く評価される方。そんな方が、いくら自分の思想信条と異なる相手だとは言え、商品の代金は踏み倒し、

高橋はるみ知事は道産子じゃなくて経済産業省生まれ、北海道はまだ植民地と痛感。重度の原子力中毒患者とみなす。引用元URL)

などという品の無い罵詈雑言をツイッターに投稿してしまうことの影響は、氏個人にとどまらず、アイヌ民族全体へのまなざしに、不必要な悪影響を及ぼすのではないでしょうか。アイヌ民族にはなお権利回復や文化振興、貧困問題など、国全体で取り組んで行かなければならない課題が数多く残っており、そうした政策課題の前進の為には、国民全体がアイヌ民族に好感情を抱くことが望ましいと私は考えています。そうした中、現代のアイヌを代表する人物の一人であるOKI氏には、もっと冷静になっていただきたい、せめて電気料金くらい払ってから北電を批判して欲しいと思うのです。