千葉県の成東町、山武町、松尾町、蓮沼村の合併による新市名が「太平洋市」なんだそうですね。面白いですね。愛知県に出来る「南セントレア市」、静岡県の「伊豆の国市」、あるいは既に出来てしまった「南アルプス市」「四国中央市」もそうですが、新しく作った会社の名前に「日本」とか「中央」とか「国際」をつけるのとはわけが違うような気がします。
先住ハワイ人は日本人に、自分たちはどちらもアメリカ合衆国に負けて占領されたけれども、君たちは言葉まで奪われることは無かったと言うそうです。彼らにとって神聖なマウナケア山を今また爆撃演習場にされる事態も迫っています。そんな切実なマイノリティのアイデンティティ探求の欲望がベン・フィニーやトミー・ホームズの夢と結びついて始まったのがリモート・オセアニアの航海カヌー文化復興運動ですね。その彼らが目指そうとしている島の私達は、知多半島や赤石山脈という言葉を捨ててセントレアだのアルプスだのという珍妙な地名を選び取ろうとしている。なにやら長閑でもあり、またもの悲しくもあります。
古くからの地名を捨てることは歴史や地理を捨てることに近いと思うのですが、珍地名を選んだ人たちは、これから生まれてくる子供たちに、歴史や実態と乖離した故郷の名前の由来をどう説明するつもりなのでしょうか。もちろん高い志や理想と深い思索の上に「南セントレア」や「太平洋」を名乗る合意が形成されているのであれば、話は別なのですが。
http://www.mainichi-msn.co.jp/chihou/chiba/news/20050201ddlk12010155000c.html
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