裏磐梯ホスピタリティ

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 裏磐梯で1週間ほど夏休みを過ごしてきました。キャンプにカヤックにトレッキングに星空観察と、なかなか充実した毎日を過ごすことが出来ました。

 とはいえ、特にキャンプ場ではアウトドア・アクティヴィティとホスピタリティの関係について色々と考えさせられるものがありましたね。というのはですね、私もそれほど多くのキャンプ場を知っているわけじゃないんですが、どうもホスピタリティという点では日本のキャンプ場は、他の宿泊施設に比して平均30年くらいは遅れているんじゃないかと思えてならないのですよ。

 いや、不便なのは良いんです。キャンプ場にホテルと同じ便利さを求めているわけじゃありませんから。電源が無かろうが携帯電話の電波が届かなかろうが構いません。そういうことではない。私が一番問題視するのは、スタッフの意識ですね。自分がサービスマンであるという自覚が無いんですね。接客レベルが30年前、40年前のそれで止まっている。だから、手持ちの設備や環境の中でどれだけ顧客満足度を上げられるか、真剣に追求するという姿勢が無い。

 今回、私が利用したのは休暇村裏磐梯のキャンプ場でした。ここは立地も良いし(目の前に裏磐梯サイトステーションやレンゲ沼散策路や桧原湖がある)、敷地広大だし、眺望は素晴らしいし、設備もかなり整っている方で、経営資源は抜群と言って良いと思います。ところがその資源が全然生かされていない。「キャンプ場の受付・管理なんかこんなもんだろう」という、なんだか非常に志が低い感じの運営です。

 例えばキャンプ場の隣には自前の源泉を持つホテル棟があって(こちらにも3泊しました)、立派な大浴場が備わっている。ところが休暇村キャンプ場利用者はこの大浴場が利用出来ない。利用は「立ち寄り湯客」扱いで、休暇村利用者と見られていないんですね。だから入浴受付は16時30分でお終い。一方のホテル棟利用者は24時まで利用可で、実際のところピーク時間帯以外はガラガラ状態が続いていたりします。

 一方のキャンプ場宿泊客。16時30分までで終わりとなると、キャンプで一番忙しい夕食準備の時間帯にぶつかってしまいます。仮に温泉に入ってから夕食準備したとしても、バーベキューで焼き肉臭い体になってしまいますし、汗だってかく。それで「キャンプ場利用者が立ち寄り湯客扱いなのは不便でしょう」とキャンプ場の受付スタッフに言ったら返ってきた言葉がこれですよ。

「(ホテル棟の大浴場を)使わせてもらえるだけも有難いと思ってくれないと。」

 あまりの上から目線に感動して笑いさえ出てしまいました。
 せっかく歩いて5分のホテル棟に源泉掛け流し大浴場があって、キャパ的にも余裕があるんですから、私だったら「休暇村キャンプ場ならホテル棟の源泉掛け流し大浴場を格安の追加料金で自由に使えます!」「ホテル棟のレストランも割引料金で利用出来ます!」を売りにしてキャンプ場利用率(平日は夏休みでもガラガラ)を上げることを考えますし、広大なスペースを持てあましている殺風景な管理棟も、受付前を快適なロビー空間にしてショップスペースや観光情報コーナーを充実させ、「キャンプ場なのにホテルみたいなロビーがあります!」なんて差別化も面白いでしょう。「ホテル棟レストランからのケータリングサービス始めました! 大自然の中で焼きたてパンと美味しいフレンチのフルコースはいかがですか? ワインも充実してます!」とかね。

 いや、それ以前に「休暇村キャンプ場のスタッフはサービスマン教育を徹底しております。キャンプ場の無愛想な受付に気分を害された経験のある方、是非とも休暇村キャンプ場へ!」というだけでもウリになりそう・・・・。

 私の言っていることはおかしいでしょうか? そんなことはありません。設備が限られていたって、サービスマンとしての意識が高ければ、顧客満足度は上げられます。現に私がカヤックツアーのアウトフィッターとして利用したBACSS檜原湖店のスタッフの方々は、施設はお世辞にも立派とは言えないものでしたけれども、フレンドリーながらも洗練された接客で、利用者を存分に楽しませ、満足させていましたからね。アウトドア・アクティヴィティだからゴミレベルの接客でも良いんだなんてことはあり得ないんです。

 もう一つ気になったのは、地元ナンバーの車の運転マナーのよろしくなさ。裏磐梯エリアに入る一番太い道は、磐越自動車道の猪苗代磐梯高原インターチェンジから磐梯山の東側を巻いてゆく国道115号→国道459号ルート(速度制限50キロ・全線追い越し禁止)なんですが、私、この追い越し禁止区間で制限速度を若干上回る速度で走っていたにもかかわらず、2回も地元ナンバーに強引な追い越しをかけられました。そうでなくても真後ろに着かれて煽られること数回(うち1回は郵便局の車だった)。

 あのねーあなたたち。裏磐梯に遊びに来る入り込み客の車は荷物満載で重い上に、不慣れな山道だからスピード出せるわけないでしょう? そんなお客さんたちの車を煽りまくり追い越し倒すのって、天下御免の逆ホスピタリティじゃないですかね? 仮にも観光で食ってる裏磐梯エリアの住民がやることじゃないと思うんですよ。

 せっかく景色最高で景観条例まで作ってあるのに、もったいないです。