私の認識しているところでは、日本語話者の間でのインターネットコミュニケーションの流行は「メーリングリストと個人ウェブサイト」→「匿名掲示板」→「ウェブログ」→「mixi」→「ツイッター」と変遷してきているようです。
ちなみに私はmixiは何度かアカウントを取ってみたものの、どうしても馴染めませんでしたので、殆ど使わないままでした。ツイッターはアカウントを作ったこともありません。SNSで使っているのはFacebookですが、これはやはり世界最大のSNSであるということと(アクティブユーザーの数で比較するとFacebookが4億でmixiは1500万)、英語の読み書きが出来れば世界中のユーザーと繋がれる、言い換えれば情報の流通網に接続出来るということがメリットですね。mixiのような「あしあと」機能などの、ある意味うっとうしい仕様が無いのも気楽です。
話を戻しましょう。今流行りのツイッターさん。何人かの知り合いや、著名人のそれを拝読してみて思うのですが、別府史之選手以外はもう完全に日本語オンリーでなうなうなうなうなんですね。とても楽しんでおられる様子が伝わってきて、それはそれで素晴らしいことだとは思うのですが、何か非常に閉じた印象があるのも事実。Facebookを使っている私の日本語話者の友人たちの多くは、英語やスペイン語など外国語を積極的に使って、国際的なコミュニケーションや情報発信をしているので、かなり大きな落差を感じます。
もう一度「日本語でツイッターでなうなう」がとても楽しいという事実を再確認した上で指摘したいのですが、ツイッターでは英語話者たちのコミュニティと日本語話者たちのコミュニティが全く接点を持っていないようですし、だから日本人を中心とした日本語話者の間での議論や意見が全くそれ以外の言論空間に伝わっていかない。また、日本語話者たちの言論空間は英語をデファクトスタンダードとしたグローバルな言論空間に全く接続していない。その結果として、例えば英語話者のツイッターユーザーたちは普天間基地の辺野古移設には殆ど何の関心も持っていないこととか、英語ツイッターではシーシェパードを英雄視する意見が沢山流れている(ケーブルテレビの「アニマルプラネット」では、シーシェパードの活動を英雄アングルで取り上げるリアリティー・ショー「Whale Wars」がもう3年くらい大ヒット中なんですよ)こととかが、日本語話者の言論空間に伝わっていないというような状況が出てきている。辺野古どうこうで騒いでいるのはおなじみグリーンピース系の活動家くらいですよ、英語世界では。もっともっとツイッターに、英語で「日本国民はどう考えているか」という情報を流しておけば、国際世論をもう少し日本よりに引っ張れたのかもしれないですが。
それからね。私が普段チェックするニュースメディアはBBCとCNNなんですが、この半月あまり、この英米を代表するニュースメディアのヘッドラインに張り付いていたトピックは「メキシコ湾の原油流出問題」「北朝鮮による韓国哨戒艇撃沈事件」でした。普天間のフの字も見かけなかったな。そして今一番アツい問題は、イスラエルによるガザ救援船襲撃事件。これがヨーロッパでは今最大のトピックになっている。ご存じでした?
こんなネタまで出ている始末。
これはね。日本の捕鯨船に乗り込んできて今は檻の中で休暇を楽しんでおられるシーシェパードのミスター・ベスーンと、公海上のガザ救援船に突入していきなり活動家をアサルトライフルで射殺した(そして「正当防衛」と居直った)イスラエル兵を較べて、「ベスーンは捕鯨船乗員を殴って日本の檻に入れられたわけだが、『正当防衛』を主張しながら捕鯨船乗員を射殺していれば、罪を問われずに済んだんじゃないか?」と、イスラエル政府の無法ぶりを皮肉ってるわけですね。あ、もちろんアメリカ政府は例によってこの件「見て見ぬふり」を決め込んでます。