小説

金蓮花『蝶々姫綺譚』と朝鮮ファンタジーとポストコロニアル文学

金蓮花『蝶々姫綺譚』(コバルト文庫1995)入手。作者は在日朝鮮人3世でこのシリーズは朝鮮ファンタジーという、少女小説でも珍しいもの。ちなみにこれが彼女のデビュー作ですが、文章はめちゃくちゃ上手い!! です。90年代後半のコバルト文庫を代表...
アート&デザイン

読むのに時間がかかるマンガが好き

こないだ買ってみた「青騎士」というマンガ雑誌をパラパラ眺めてて思ったんですが、キャラがウェブマンガみたいなテンプレじゃないから、読むのに時間がかかるんですよ。ウェブマンガが圧倒的にテンプレベースなのは、今の消費者は新しいものを好まないのと、...
書評・読書記録

山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』:ライト版『ノルウェイの森』

山崎ナオコーラ『人のセックスを笑うな』読了。とても短い小説だったので1時間もかからずに読めました。第41回文藝賞受賞作。私はいわゆる純文学はほとんど読まないので、それ系統のものを読む時にはいつも「なるほどこれが純文学か!」と唱えながら読んで...
評論

尾身バッシングというビジネスモデル

尾身という人は医者の立場からはこう見える、こう考えるということを言っているだけだと思うのですが、まるで彼が新型コロナ対策の最高責任者で全権限を掌握しているみたいに考えている人が多いような気がします。全権限を掌握して対策を決定しているのはスガ...
書評・読書記録

トネ・コーケン『スーパーカブ』とおっさん粒子理論

『ガンゲイル・オンライン』既刊10冊のうち9巻までをあっという間に読破した息子が、トネ・コーケン『スーパーカブ』を読みはじめて「スーパーカブは良いよ。癒やされる」とか言い出した。スーパーカブ (角川スニーカー文庫) 価格:704円(税込、送...
小説

古谷田奈月『星の民のクリスマス』を読んであらためて日本ファンタジーノベル大賞の傾向を考えた。対策など無い。

古谷田奈月『星の民のクリスマス』読了。2013年の日本ファンタジーノベル大賞受賞作。選考会議でもめちゃくちゃ揉めて、椎名誠は棄権、萩尾望都と小谷真理の「スペック採用」的な推しで大賞受賞に至ったという問題作。(結果的に二人は慧眼だったわけです...
コミュニケーション

トリックスターからジャックリーの乱へ

社会の不満をすくい上げて根拠のない誹謗中傷にしてツイッターにぶん投げることを繰り返していると、フォロワーさんも増えていって、場合によっては万単位のフォロワーが付くことがあるでしょう。そうした人々に本やグッズや有料メルマガや有料noteを売り...
アート&デザイン

バッシングしていいのは、バッシングされる覚悟があるヤツだけだ。

呉座勇一による北村紗衣の容姿侮辱に端を発した騒動は日文研による注意処分での決着を見ました(罪を憎んで人を憎まず、大事ですよ)。ここから派生して、電凸という言葉を巡るかなり不毛な戦いが巻き起こっていた(今もかな)わけですが、中高年男性研究者チ...