いつか昴の船の物語を

 ええと、実は先日、内田正洋さんにお会いしてきました。普段散々に失礼なことばかり書いているので、お会いしたとたんに首をネジ切られるんじゃないかと内心ドキドキしていましたが、なんとか無事に帰してもらえましたですよ。

 さてさて、その内田さんですけれども、お話が滅法面白いんですね。こう書くと非常にまた問題があるような気がしますが、敢えて勇気を振り絞って書くならば、内田さんがお書きになっている文章の100倍くらい内田さんトークは面白いんです。人を惹き付ける力が凄いし、内田さんならではのエピソードが次から次へと出てくる。

 それで、先日の席で内田さんのお話を拝聴していて痛感したのですが、マカリイというのはこれまで日本ではあまり深く語られてこなかったんですけれども、ホクレアやハヴァイロアとはまた違ったドラマを沢山持っている船なんですね。マカリイに関わった方々のエピソードなども聞いていると、これはもっと広く知られて良いんじゃないかなと感じられるのです。

 マカリイがどうやって生まれてきたのか。どんな航海をしてきたのか。どんな人々がこの船を支えているのか。クレイ・バートルマンさんやタイガー・エスペリさんはマカリイとどのように関わっておられたのか。マカリイはいかにしてマウ老師とともにサタワル島へ行ったのか。

 それらはおそらく、一冊の本として世に出すに足る物語のはずです。

 ですから、内田さんには是非、マカリイの物語を書いて欲しい。タイガーさんが私たちに教えてくれようとしていたものは何だったのか。マカリイの物語の中にも、それに気づく為のヒントが沢山落ちているような気がします。