フォロワー500万人に届こうかという最強インフルエンサーにセクハラすることの意味を知らなかった元電通マン

アラーキーこと荒木経惟による女性モデル搾取事件は、あらためてSNS時代のマスメディアの立ち位置について考えさせてくれた。

いくら日本写真業界では知られた存在とはいえ、SNSフォロワー1800人弱のkaoRi氏と、インターネットが無い時代のTVと雑誌のお騒がせ男だった武勇伝が結局は売り物で、草間・村上・奈良・杉本以外に海外に売れるめぼしいタマが無いという消極的理由で評論家とギャラリストとキュレーターたちが芸術家に祭り上げたアラーキー。

一時は業界内のちょっとした嵐で収束しかけたところに、インスタフォロワー500万弱の水原希子が降臨。追撃metooを投下してYahooニューストップに堂々エントリー。

この2つだけでも広告費換算数千万円の破壊力があった。

元能年玲奈が「のん」として大手事務所から独立し、一時は芸能マスコミにも悪い噂を流布されて(誰がやったのあれ?)干されるも、クラウドファンディングから映画が脅威の大ヒットで本人のSNSフォロワー数もうなぎのぼりで30万人突破、今や潰そうにも潰せない存在になった事例と好一対と思う。

現代はSNSでバズったものが大手マスコミに取り上げられる世の中。大手マスコミにすれば初期投資無しで視聴者・読者を引っ張れるのだから、SNSバズ案件に半ば依存している状態だし、SNSバズ案件は大手マスコミに出ることでマネタイズのステージが上がるのだから、持ちつ持たれつ。新しい生態系なんだ。

一方の荒木経惟は、電通出身とはいえご機嫌にやっていた80-90年代はインターネットが無かった時代。マスコミ関係者さえ押さえておけば怖いものは無かっただろう。そこが当時のメディア権力の起点なのだから。

しかし、今の目で荒木経惟を見てみるならどうか。

公式SNSアカウントも無ければ公式ウェブサイトも二昔前のデザインで更新途絶の爺さんだ。

そんな爺さんがSNSフォロワー500万人弱、横浜市と川崎市の総人口に匹敵する数に直接情報発信出来る日本語SNS圏最強インフルエンサーにセクハラして(2013年当時の彼女はそこまでフォロワーは居なかっただろうが、ツイッター開設が2009年なので既にウェブでの力関係は水原>>>>>>>>>>>>>>>>>荒木だったはず)、本気で殴り返されたときにどっちが強いかとか全く分かってなかったのではないか。

現役のMMAナショナルチャンピオンに70歳越えたロートルがちょっかい出したみたいなもんだ。相手の戦闘力が全く見えてなかった。

もう引退した方が良いね。