プロアスリートに渡される契約料の原資を稼ぐ名も無い社員たちの気持ちについて考えた。

 今月から障害者就労移行支援事業所「カラフルピープル」の立ち上げチームのメンバーが私を含めて3人に増え、チームのまとめ役として僭越ながら「これをやって下さい」「これはクオリティが足りないのでリジェクトです。修正お願いします。」「ここに行って来て下さい。」などなど、他のメンバーにタスクをお願いすることが増えました。

 求人・採用担当者でもありましたから、皆さんの頂いているお給料の額も大体は知っています。
 本拠地である名古屋を遠く離れた千代田区への出店は、いわば最激戦区への空挺作戦ですから、やっている我々は当たり前ですが必死です。出来ることは全部やります。考えます。力を合わせます。皆さん頑張ってます。頼もしいです。
 それで最大限成功したとして、メンバーの皆さんがいくら貰えるのかも、私は大体は知っています。売上の上限が法制度で決まっているので、そこからお支払い出来る金額も上限が決まるわけです。
 さして大きくも無い利益率の中で、世の中に必要な役割と信じるものを頑張って、あるいはそれなりにこなして、何とか給料の原資を積み上げる。

 これがサラリーマンのリアルです。


 さて、リオ五輪が終わり、さあ次は東京五輪だという雰囲気の日本です。スター選手たちの華々しい凱旋もあれば、名前を知られることもなく地味に戦って地味に帰国する選手たちもおりますでしょう。地味な選手たちがバイトして何とか強化費や遠征費を捻出しているという話も毎度のことです。そりゃあ大変でしょう。
 だからスポンサーになって下さい。年間30万で良いです。50万で良いです。100万で構わないので。200万は安いと思いますよ。
 お嬢さん。その50万で良いですの50万はどこからどうやって生まれて来ると思いますか? 毎日毎日地味なお仕事をこなすスポンサーの社員の皆さんがどれだけ稼働したら、粗利で50万積み上がるか言えますか? 考えたことありますか? 想像してみませんか?
 ここは大事なポイントです。
 チームの皆さんにタスクをお願いする立場からすると、仮にマイナー競技の全日本王者に会社が50万渡したとして、それについてチームの皆さんがどう感じるのかが、ものすごく気になります。サラリーマンに50万は大金です。その重みですね。地道な仕事を毎日毎日毎日こなして、マイナー王者に渡す50万の原資を稼いでいる方々にとって、そのお金の重み。意味。
 お金頂きました。公式サイトにバナー貼りました。ロゴ入れたウェアで練習しました。テレビには写りもしなかったけどリオ行って来て真ん中らへんの順位でした。ありがとうございます。ありがとうって伝えたくてブログとフェイスブックにスポンサーの皆様ありがとうと書きました。
 それだけ? それで終わり? 
 
 ロック過ぎるよそれ。
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 もしかしたら自分がもらった契約金の50万で良いですありがとうございますは、スポンサーの社員にとっては痛みかもしれないということ。メダル取れる取れないは別として、その、50万なり100万なりの、遠征費的にはハシタガネなお金を稼いだ名前も知らない人々の気持ちを、痛みから、少なくとも「まあ良かったかな」くらいまでは持っていくのがプロアスリートに本来求められる仁義だということ。
 そのために何をすべきかを必死で考えて実行すること。
 それをやれる人こそプロアスリートを名乗るべきかもしれないな。