湘南の水面に浮かぶOC6

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 朝起きてWatershineさんのウェブログを開いたら、なんとも魅力的なアウトリガー・カヌーについての文章がありました。
http://watershine.exblog.jp/

 そこで手持ちの画像から、アラワイ運河に浮かぶOC6(6人乗りのOutrigger Canoe)を出してきてスキャンしてみました。

 さてこのアウトリガー・カヌーですが、何故か湘南地域に愛好家が多いんですね。私の知っている限り

アウトリガー・カヌー・クラブ・ジャパン
オハナホウ・アウトリガーカヌー・クラブ
鎌倉アウトリガー・クラブ
湘南アウトリガー・カヌー・クラブ江ノ島

と、4つもクラブがあります。不思議ですね。何故湘南はハワイなのか。こんな本も出ているし。

いしいきよこ・石井正孝『湘南アロハ』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4487800129/

もともと湘南というのは中国の江南地方にある湘湖という名勝にあやかって呼ばれるようになった地名なんですけどね。この湘湖は杭州の町の近くにあって、銭塘江、西湖などとともに中国では風光明媚な土地の代名詞となった地域でした。江南がいかにして自らを「風光明媚な土地」として売り出していったのかを研究した本まで出ています。

中砂明徳『江南:中国文雅の源流』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4062582503

 話が飛びました。

 このアウトリガー・カヌーは東南アジア島嶼部からオセアニア一帯に広範に広がっているものです。ダブル・アウトリガー・カヌーといって船体から両方向にアウトリガーが出ているものと、シングル・アウトリガー・カヌーといって、片方だけにアウトリガーが出ているものとありますね。さらに大型の航海カヌー(数百キロ以上を航海する)もあります。

 画像はスポーツ用のシングル・アウトリガー・カヌーで6人乗りのもの。他にOC4やOC1というのがあるようです。さてこのアウトリガー・カヌー、一見ただの爽やかなスポーツなのですが、これがなかなかただものではない。例えばアラワイ運河にはフイ・ナルという名門のアウトリガー・カヌー・クラブがありますが、「ナレヒア」のパドラーを探していたハーブ・カネが偶然このフイ・ナルの艇庫の近所に住んでいて、ナイノア・トンプソンがこのクラブのメンバーだった事から、ナイノアが航海カヌーの世界に入っていくわけです。

 またアオテアロアではマタヒ・ワカタカらによってスポーツ・アウトリガー・カヌーのクラブがいくつも設立され、マオリの社会教育や文化復興に大きな力となりました(本体ウェブサイトの「人名録」からマタヒ・ワカタカの項を見て下さい)。

 要するに何が言いたいかというと、私もアウトリガー・カヌーに乗ってみたいなという、それだけだったりします。

 おっと、書き忘れる所でした。湘南の地名の語源となった本家中国の湘湖ですけどね、そのほとりにある河姆渡遺跡という所から出土したのが、紀元前6000年紀、中国最古の丸木舟です。

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