3連休の最終日は好天に恵まれたので、新車の奥多摩デビューとして入山峠を上ってきました。五日市街道から檜原街道に入り、「喜正」の野崎酒造(藤崎さんのCAFE PATHの開店祝いに送った酒で、もしかしたらボブ・サムさんも飲んだかもしれない)の所を左折してあとは沢沿いにひたすら山道を辿っていくルートです。
以前にここを走った時にはMTBのトリプルクランクを入れたアルミフレームを使ったのですが、今回はさすがに国内正規代理店価格で完成車30万円を越えるフルカーボンフレームだけあって、普通のコンパクトクランクでもすいすい上れてしまいます。自転車の進歩って凄い。結局、一番勾配がきついコンクリート舗装部分を越えたところで少し息を整えただけで、あっさり峠までたどり着いてしまいました。
これは最近シクロクロスバイクでペダリングのパワーを鍛えていた成果もあったと思います。シクロクロスバイクで荒れ地を走ると、ロードバイクと違って常に漕ぎ続けなければすぐに止まってしまうんですよ。だから安定してトルクをかけられるペダリングスキルが付く。具体的には、踏み込む側の脚が水平位置を越えてからの90度を、反対側の引き脚で回す技ですね。登坂とか、舗装路でも段差やら何やらでバイクの慣性が殺される路面では、オフロードでのペダリングスキル訓練は確実に役に立つと感じます。トルクかけて回すだけならローラーでも練習出来ますけど、どがちゃがの路面をぶっ飛びながらシームレスにトルクをかけ続ける練習は前後リジッドのシクロクロスバイクが一番かもしれません。
さて、ピークのところで階段から下りてきたダウンヒルバイクの人としばらく立ち話。話題はダウンヒルバイクとクロカンMTBの違いから、やがて相変わらず消える気配の無いノーブレーキピストの問題へ。何でも、新宿あたりではスーツを着たあんちゃんが、切りつめたフラバーハンドル仕様のノーブレーキピストで甲州街道を走り回っているんだそうです。バカどもが。
写真はピークから少し下った辺りで撮影したものです。山がまだらになっていますが、緑の部分は杉。紅葉している部分は広葉樹です。この後、私は陣馬街道まで降りて八王子市街地に向かうんですが、この道は画面中央の舌状の緑地を巻くようにして、画面右奥の高層ビル街(八王子中心部)へと続いています。
八王子市街地の奥に見える尾根の手前が浅川で、尾根の裏側には大栗川が流れています。尾根の向こうに見える1本の高層ビルが多摩センター駅前のベネッセ本社ビル。ベネッセ本社ビルの更に奥の尾根沿いを尾根幹線道路が走っています。豊ヶ丘、落合、諏訪と続く多摩ニュータウンのマンション群も見えてます。画面中央ちょい右に見える白い二つの芥子粒のような点が、若葉台の給水タンク。
その奥には新宿の摩天楼が見えてますね。映画「耳をすませば」で主人公カップルが聖蹟桜ヶ丘のいろは坂頂上付近から見つめたのも新宿の摩天楼でした。たしかに摩天楼は絵になりますし、人の目を引きつけます。でも、摩天楼の下では勘違いしたノーブレーキピスト野郎たちが走り回っています。そんな良いところじゃありません。だから私の目は摩天楼には向かいません。「耳をすませば」の子供たちにも言いたいですね。摩天楼の下に行っても大したもんは無いよと。行ってみるのは構わないが、君らの家はここにあるんだから、ちゃんと終電までには帰って来るんだよと。