隠水

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 いくら忙しくても、とにかく週末はきっぱり育児を離れてリフレッシュすることにしています。昨日も今日も自転車で多摩丘陵を走り回ってきました。

 1枚目の写真は、昨日初めて行ってみた小さな谷戸の奥で見つけた小川です。草むらの中をひっそりと流れる水。私自身初めて見た光景なのですが(釧路湿原のような場所は別として)、こういうものにもちゃんと昔の人は名前を付けていたんですね。

「隠水」

 こもりず、と読みます。初出は万葉集だと「国語大辞典」に出ていました。言葉そのものは昔から知っていたんですが、実際にこの光景を目にした時は感激でした。「こもりずだ・・・・」と思わず呟いてしまいましたよ。

 もう1枚の写真は、ちょうどこの隠水の真後ろにあった木立ち。輝くばかりの新緑です。シャッターを切った直後に風が吹いて、どこからか桜の花びらが頭上に降り注いできました。何かもう本当に夢の中に居るような気分でしたね。

 幸いにしてこの秘密の谷は、緑地として保全されることが確定しています。東京都が策定した多摩地区マスタープランにも明記されていますし、土地買収も概ね終わっていますし、都市計画図を見てもここは緑地として決定されています。常識では考えられないような事態が発生しない限り、この素敵な隠水は残っていくことでしょう。でも、この谷の場所はあまり教えたくないかな。最近ではすっかり全国的に知られるようになった南山とは違って、この谷にやって来るのは地元のハイカーの中でもごく一部です。このまま秘密の谷としてそっと仕舞っておきたいような気分です。