DVDに向けて

 とりあえず既存の字幕の内容チェックが終わりました。1020枚強のうち416枚にコメントを付けましたから、およそ4割ですね。これを元に翻訳者さんと編集者さんと私で話し合って、最終的な字幕を考えていくことになります。

 この段階で行ったのは「誤訳のチェック」「訳語のチェック」「伏線や演出との整合性の検討」「言葉遣いの修正」の4つの作業。言葉遣いについては、出来るだけ邦訳版の原作で喋らせているような口調を提案しております。

 どこまで反映出来るかどうかは(文字数制限もあるので)わかりませんが、ともかく劇場の字幕とはかなり違う字幕になるはずです(だから「もう劇場で見た」なんて言わずに買って下さい! 日本経済の為にも)。
 
 ところで、最後にまた一つ発見がありました。原作でアラトリステが「上官の窮地を救って報奨金を貰った」のは休戦前のフランドルでしたが、映画ではネルトリンゲンの戦いになってるんですねえ。1634年に神聖ローマ皇帝軍とスペイン軍がプロテスタント諸侯軍とスウェーデン軍を壊滅させた有名な戦い。原作の設定ではアラトリステもイニゴもこの戦いに加わっているのですが、映画だと1635年にアラトリステだけがフランドルから引き上げて来ているので、おそらくイニゴは映画版ではネルトリンゲンの戦いに参加していないのではないかと。