ここ数日、ミミ・ジョージ博士との間を頻繁にメールが行き交っています。もちろん、ハワイの生の情報を教えていただくということもありますが、それだけではありません。研究の話。
ミミ・ジョージ博士はベン・フィニー博士(ポリネシア航海協会創設者)やリチャード・ファインバーグ博士(ミクロネシアの伝統航海術研究の第一人者)とともに、共同研究という形でアメリカの研究助成にもチャレンジしているのだそうですが、なかなかすんなりと行くものではないとのこと。それで、私は彼女に提案しました。日本の研究助成金にチャレンジしてみないかと。日本にもそれなりに助成プログラムはありまして、何も当たらないよりは何か当たった方がマシなわけですよ。
そんなこんなで、日本国内の研究助成情報を紹介したり(英語申請可でも日本語でしか助成情報検索が出来ないなど、トホホなことが多い)、どんな切り口で応募書類を書いていったら良いのかを相談したり。もしも可能であれば、私も共同研究に加わってみたいですしね。私の本業というかもう一つの顔は音楽学の研究者ですから(博士論文が審査を最終合格したという連絡が昨日入りました!)。これまで全く研究されていない、いわゆる「星の歌」については、チャンスがあれば記録を残してみたいと思っています。ミミ・ジョージ博士によれば、タウマコ島ではお母さんが子守歌として(!)、航海歌を子供に歌い聞かせているのだそうです。お母さんが、ですよ。なんとタウマコには女性の伝統航海士もおられるそうです。
女性に関わる禁忌が存在しているミクロネシアとは、やはり少し違う。その違いを調査するだけでも、極めて貴重な記録になります。
まだ上手くことが運ぶかどうかはわかりませんが、なんとか彼女が日本の助成金を当てられるよう、これからも支援していきたいですね。
それで少しだけ嬉しかったこと。
今私は色々と彼女のプロジェクトのお手伝いみたいなことをしていますけれども、何度も書きますが私はハワイ人でもポリネシア人でもミクロネシア人でもない。船乗りでもカヌー乗りでもサーファーでもない。そういう部分で自分はいつも引け目を感じていると言いましたら、彼はこう返事してくれました。何を言うんだ、お前はこんなにも一生懸命助けてくれているじゃないか。お前は立派な航海カヌーのクルーだと。
涙が止まらなかったですよ。リアルでね。