写真部の学外展の会場が部室棟のような空気感になる理由を教えよう

東京の大学の写真部がよく写真展をやるビルが渋谷にあるんですが、これ、元は雑居ビルだったのをインフィル剥がして配管剥き出しにして貸しギャラリーに仕立てたもんなんですよ。

古いビルをギャラリーに転用するという手法は一般的で、とても多くの事例があります。だからそれ自体は問題が無い。

ただ、そこに行くと「ギャラリーに来た」というよりも、「大学の部室棟に来た感」が強いのも事実。

理由は明白です。綺麗に使ってないから。ゴミが落ちてるとかいうような話ではないです。神経が隅々まで行き届いていないということです。

古くオンボロなスケルトンであればあるほど、中身は徹底的に磨き上げ、家具調度品は趣味良く(出来れば)高級なものを置き、照明の色温度は3000-4000Kの間、受付担当者はパリッとした服を着て無精髭など論外、スマイルを絶やさず多少の香水を使うのもアリ。汚らしい告知チラシの類いはどうせ誰も見ないんだから開場前にまとめて資源ゴミへ。壁やエレベータに素人デザインのポスターやチラシを貼るなど論外。

つまりその、あれだ。部室棟って掃除してないし家具調度類は基本的に粗大ゴミレベルだし、照明は寒い蛍光灯で無精髭生やした汚らしい格好のあんちゃんが無愛想な表情でうろついてて壁といわず扉と言わず意味不明なチラシやポスターがベタベタ貼られていて、そもそもお前何日風呂入ってないんだその服いつ洗った、え?

という空間に慣れちゃっているのはわかりますが、それをギャラリーで再現したら、そりゃ部室棟オーラ全開になっちゃいます。

ほんと、作品を見せる空間の演出に気を配るだけで、作品の値段はゼロが一つ二つ増えて見えるもんですよ。試してみ。